日本の企業税制
【第16回】
「BEPSの進捗状況と行動計画13(移転価格の文書化)」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 BEPSプロジェクトの進捗状況
3 行動13の終結-移転価格の文書化と国別報告書に関するガイダンス
4 おわりに
1 はじめに
OECD 租税委員会においてOECD加盟国に加え、OECD非加盟のG20メンバー8ヶ国(中国、インド、ロシア、アルゼンチン、ブラジル、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ)が参加するBEPS (Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食と利益移転)プロジェクトは、本年末までの終結を目指し佳境に入っている。
BEPSプロジェクトが完結すれば、租税条約、移転価格税制、外国子会社合算課税など国際租税のスキーム全体が大きく変貌することとなり、それらは直ちにわが国の国際租税制度の改正を迫るものとなる。
そこで、この場を借りてBEPSプロジェクトの動向を逐次お知らせしていくこととしたい。
まず今回は、BEPSプロジェクトがどこまで進んだのかの概況及び、本年2月のガイダンスの公表によって終結を迎えた行動13(移転価格の文書化)の要点を紹介することとしたい。
2 BEPSプロジェクトの進捗状況
2012 年6月より開始されたBEPSプロジェクトは15の行動計画に基づき、ほぼ予定のスケジュールどおりに、報告書、勧告、ガイダンスなどの取りまとめが進んでおり、昨年末までにおよそ過半の作業を終えている。
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