法人税の損金経理要件をめぐる事例解説
【事例85】
「不相当に高額な役員給与該当性に係る主たる事業の判断基準」
拓殖大学商学部教授
税理士 安部 和彦
【Q】
私は、近畿地方のとある県庁所在地に本社がある食品加工業を営む株式会社X(資本金9,000万円で3月決算)において、海外事業部長を務めております。わが国の食品加工業を取り巻く経済環境は近年非常に厳しく、数年前まではコロナ禍の直撃を受け多くの同業者が倒産の危機に見舞われましたが、そのような災難をどうにか乗り越えたのも束の間、今度は円安による輸入物価の高騰とインフレ、更にはトランプ関税と、泣きっ面に蜂の状況です。それでもわが社は生き残りを図るべく海外進出に活路を求め、最近どうにか芽が出始めているところです。
すなわち、海外における比較的富裕層の間での健康志向から日本食がブームになっているという波に乗り、味噌や醤油のような発酵食品について製品開発を行い、徐々に販路を拡大しているというものです。特に東南アジアでは日本の発酵食品が広く受け入れられ、現地の工場を立ち上げて本格的に販売を拡大しており、近い将来には海外での売上げがわが国での売上げを上回るのではとの予想も、十分実現しそうな状況です。
さて、そのようなわが社の意気込みに水を差すような出来事が、つい最近ありました。それは、10年ぶりに受けることとなった税務調査でした。その中で税務署の調査官が、東南アジアの子会社に派遣された役員の給与が「不相当に高額」であるとして、その大半が損金に算入されないと宣告してきました。当該役員はわが社が社運をかけて乗り出した海外事業の責任者であり、彼なくしては海外事業が成り立たないのであって、余人をもって代えがたい存在であるため、通常の海外子会社の役員報酬と比較するのはナンセンスであると考えますが、税法上はどのように考えるのが妥当なのでしょうか、教えてください。
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