日本の企業税制
【第22回】
「BEPS行動14:紛争解決」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 公開討議草案の概要
3 経団連の考え
1 はじめに
行動14「相互協議の効果的実施」は、国際課税紛争を国家間の相互協議や仲裁により効果的に解決する方法を策定するものである。
2014年12月18日、OECD租税委員会より公開討議草案「効果的な紛争解決メカニズムの策定」が公表されており、経団連では、2015年1月16日にコメントを提出している。
移転価格課税等による国際的二重課税の解決手段としては、租税条約の相互協議条項に従って、納税者の要請に基づき租税条約締結国の権限ある当局間で行われる政府間協議があるが、合意義務はなく、そもそも、租税条約の中に相互協議に関わる条項が存在しない国もある。
また、相互協議において解決できない事案を、納税者の申立てにより第三者である仲裁人が解決し、両国当局はその決定に拘束される「仲裁」の規定をもつ租税条約も増えており、日本では、アメリカ、オランダ、香港、ポルトガル、ニュージーランド、イギリスとの租税条約で仲裁条項を設けている。
すべての租税条約に義務的仲裁条項が導入されれば紛争解決に大きく前進することとなるが、未だBEPSプロジェクトの全参加国間でコンセンサスが取れてはいない。
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