日本の企業税制
【第10回】
「BEPS行動計画13『移転価格の文書化』をめぐる動向」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 OECD租税委員会BEPSプロジェクトの概要
3 行動計画13-移転価格関連の文書化の再検討
(1) ディスカッション・ドラフト
(2) 産業界の意見
(3) OECD公聴会と今後の見通し
4 おわりに
1 はじめに
欧州における米国系多国籍企業への過度なタックス・プランニングへの牽制から始まったBEPS(Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食と利益移転)問題は、G20の要請を受けたOECD租税委員会においてOECD加盟国に加え、OECD非加盟のG20メンバー国8カ国(中国、インド、ロシア、アルゼンチン、ブラジル、インドネシア、サウジアラビア、南アフリカ)も参加し、国際課税ルールの抜本改革を目指す一大プロジェクトとして進められている。
全15の行動計画のうち、今年9月には、行動計画1(電子商取引への課税)、行動計画2(ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメントの効果の否認)、行動計画6(租税条約の濫用防止)、行動計画13(移転価格文書化の再検討)について完了する予定であるが、そのいくつかは平成27年度税制改正を含めたわが国の国際租税制度の改正へとつながるものである。
そこで、本稿ではBEPS議論の全体像を示した上で、とくに現時点で、わが国での影響が大きいと考えられる「移転価格の文書化」を紹介することとしたい。
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