法人税の損金経理要件をめぐる事例解説
【事例35】
「医療法人の代表者の配偶者が使用する車両と定期同額給与となる経済的利益」
国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦
【Q】
私は、都内西部の私鉄沿線に広がる住宅地で会計事務所を経営している公認会計士で、その顧問先の多くは眼科や精神科、皮膚科など様々な診療科のクリニックや歯科医院となっております。その中の1つのA歯科医院は、私にとって最も重要なクライアントです。
と言いますのは、A歯科医院は私にとって事務所経営の基盤を築いたと言っていいくらいの、独立初期からのクライアントだからです。A歯科医院の院長Bは高校時代の同級生で、個人立の診療所時代からの付き合いであり、医療法人化にも関与しております。現在、当該A歯科医院は、ホワイトニングや歯列矯正、インプラント埋入といった自由診療に注力しており、コンビニよりも数が多く過当競争であると言われている歯科業界においては、比較的好調な業績を保っています。
そのA歯科医院に関し、最近税務調査で問題となっている事項があります。それは、2年前にA歯科医院を運営する医療法人C会名義で取得した自動車につき、その使用実態をみてみると、院長Bの妻Dが専らプライベートで使用しているのであるから、当該自動車はDの個人使用の目的で購入されたものであり、その取得費用は全額院長Bに対する役員給与である旨、調査官から申し渡されたというものです。
税務調査の立会いの経験があまりないため、このようなとき、どのように対応すればいいのか正直悩むところですが、私にとって最も重要なクライアントであるA歯科医院の院長Bの信頼をつなぎとめるため、ここは何としても調査官に説得力のある反論を行いたいところです。どうか知恵を貸していただけないでしょうか、よろしくお願いします。
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