公開日: 2014/11/20 (掲載号:No.95)
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減損会計を学ぶ 【第21回】「共用資産の取扱い」

筆者: 阿部 光成

減損会計を学ぶ

【第21回】

「共用資産の取扱い」

 

公認会計士 阿部 光成

 

減損会計では、複数の資産が一体となって独立したキャッシュ・フローを生み出す場合には、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に際して、合理的な範囲で資産のグルーピングを行う(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)四2(6)①)。

資産のグルーピングなどを検討する際には、共用資産について、以下に述べる事項に注意が必要である。なお、共用資産の減損の兆候及びのれんの減損の兆候については、本連載の【第9回】で解説している。

文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 共用資産

1 定義

減損会計意見書及び「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)は、複数の資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産のうち、のれん以外のものを共用資産と定義している(減損会計意見書四2(7)①、減損会計基準注解(注1)5)。

共用資産には、全社的な資産と複数部門にわたる資産があり、次のものが考えられる(減損会計意見書四2(7)①、「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)130項)。

    共用資産	全社的な資産	本社建物、全社的な試験研究施設、全社的な福利厚生施設 	複数部門の共用資産	複数部門に関連する福利厚生施設、共同倉庫、開発、動力、修繕、運搬等を行う設備

 (出所:監査法人トーマツ編『Q&A減損会計適用指針における会計実務』(清文社、2004年4月)34ページ)

2 共用資産に係る資産のグルーピング

共用資産に係る資産のグルーピングには次の2つの方法がある(減損会計意見書四2(7)②)。

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【第21回】

「共用資産の取扱い」

 

公認会計士 阿部 光成

 

減損会計では、複数の資産が一体となって独立したキャッシュ・フローを生み出す場合には、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定に際して、合理的な範囲で資産のグルーピングを行う(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)四2(6)①)。

資産のグルーピングなどを検討する際には、共用資産について、以下に述べる事項に注意が必要である。なお、共用資産の減損の兆候及びのれんの減損の兆候については、本連載の【第9回】で解説している。

文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 共用資産

1 定義

減損会計意見書及び「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)は、複数の資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産のうち、のれん以外のものを共用資産と定義している(減損会計意見書四2(7)①、減損会計基準注解(注1)5)。

共用資産には、全社的な資産と複数部門にわたる資産があり、次のものが考えられる(減損会計意見書四2(7)①、「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)130項)。

    共用資産	全社的な資産	本社建物、全社的な試験研究施設、全社的な福利厚生施設 	複数部門の共用資産	複数部門に関連する福利厚生施設、共同倉庫、開発、動力、修繕、運搬等を行う設備

 (出所:監査法人トーマツ編『Q&A減損会計適用指針における会計実務』(清文社、2004年4月)34ページ)

2 共用資産に係る資産のグルーピング

共用資産に係る資産のグルーピングには次の2つの方法がある(減損会計意見書四2(7)②)。

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連載目次

「減損会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「税効果会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「金融商品会計を学ぶ」(全29回)

筆者紹介

阿部 光成

(あべ・みつまさ)

公認会計士
中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂第2版〕』(編著、商事法務)がある。

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