公開日: 2014/08/28 (掲載号:No.83)
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減損会計を学ぶ 【第15回】「減損損失の認識の判定③」~将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケース~

筆者: 阿部 光成

減損会計を学ぶ

【第15回】

「減損損失の認識の判定③」

~将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケース~

 

公認会計士 阿部 光成

 

減損損失の認識の判定は、割引前将来キャッシュ・フローの総額を用いて、それが帳簿価額を下回るかどうかによって行うこととされている(「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)二、2(1))。

「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)では、減損損失の認識の判定に用いる将来キャッシュ・フローについて、その見積期間が20年を超えるかどうかによって、異なる取扱いとしている。

今回は、将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケースについて解説する。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 減損損失の認識

減損損失の認識の判定は、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行い、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識することになる(減損会計基準二、2(1))。

減損損失を認識するかどうかを判定するために割引前将来キャッシュ・フローを見積もる期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方で行うことになる(減損会計基準二、2(2))。

 

Ⅱ 将来キャッシュ・フローの見積期間(20年を超えるケース)

1 基本的な考え方

減損適用指針は、①主要な資産と、②主要な資産以外の構成資産に分けて規定している。そして、主要な資産の経済的残存使用年数と、主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数のいずれが長いかによって、さらに詳細な規定を設けている。

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【第15回】

「減損損失の認識の判定③」

~将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケース~

 

公認会計士 阿部 光成

 

減損損失の認識の判定は、割引前将来キャッシュ・フローの総額を用いて、それが帳簿価額を下回るかどうかによって行うこととされている(「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)二、2(1))。

「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)では、減損損失の認識の判定に用いる将来キャッシュ・フローについて、その見積期間が20年を超えるかどうかによって、異なる取扱いとしている。

今回は、将来キャッシュ・フローの見積期間が20年を超えるケースについて解説する。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 減損損失の認識

減損損失の認識の判定は、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって行い、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識することになる(減損会計基準二、2(1))。

減損損失を認識するかどうかを判定するために割引前将来キャッシュ・フローを見積もる期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方で行うことになる(減損会計基準二、2(2))。

 

Ⅱ 将来キャッシュ・フローの見積期間(20年を超えるケース)

1 基本的な考え方

減損適用指針は、①主要な資産と、②主要な資産以外の構成資産に分けて規定している。そして、主要な資産の経済的残存使用年数と、主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数のいずれが長いかによって、さらに詳細な規定を設けている。

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連載目次

「減損会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「税効果会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「金融商品会計を学ぶ」(全29回)

筆者紹介

阿部 光成

(あべ・みつまさ)

公認会計士
中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂第2版〕』(編著、商事法務)がある。

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