公開日: 2016/07/21 (掲載号:No.178)
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金融商品会計を学ぶ 【第25回】「ヘッジ会計⑥」

筆者: 阿部 光成

金融商品会計学ぶ

【第25回】

「ヘッジ会計⑥」

 

公認会計士 阿部 光成

 

引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。

なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 予定取引の定義

ヘッジ会計が適用されるヘッジ対象には、「予定取引」により発生が見込まれる資産又は負債も含まれる(金融商品会計基準30項)。

「予定取引」とは、未履行の確定契約に係る取引及び契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引をいう(金融商品会計基準注解12)。

予定取引には次の2つの種類がある(伊藤眞、荻原正佳編著『改訂8版 金融商品会計の完全解説』(財経詳報社、平成21年7月)346ページ)

 契約は成立していないが次の2つの要件を満たす取引(契約未締結取引)

・主要な取引条件が合理的に予測可能である(予測可能性)

・実行される可能性が極めて高い取引(実行可能性)

 未履行の確定契約に係る取引(未履行確定契約)

 

Ⅱ ヘッジ対象となり得る予定取引の判断基準

金融商品会計基準注解12における「契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引」に該当するか否かを判断する際には、例えば、以下の項目を総合的に吟味する必要がある(金融商品実務指針162項、327項~332項)。

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【第25回】

「ヘッジ会計⑥」

 

公認会計士 阿部 光成

 

引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。

なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅰ 予定取引の定義

ヘッジ会計が適用されるヘッジ対象には、「予定取引」により発生が見込まれる資産又は負債も含まれる(金融商品会計基準30項)。

「予定取引」とは、未履行の確定契約に係る取引及び契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引をいう(金融商品会計基準注解12)。

予定取引には次の2つの種類がある(伊藤眞、荻原正佳編著『改訂8版 金融商品会計の完全解説』(財経詳報社、平成21年7月)346ページ)

 契約は成立していないが次の2つの要件を満たす取引(契約未締結取引)

・主要な取引条件が合理的に予測可能である(予測可能性)

・実行される可能性が極めて高い取引(実行可能性)

 未履行の確定契約に係る取引(未履行確定契約)

 

Ⅱ ヘッジ対象となり得る予定取引の判断基準

金融商品会計基準注解12における「契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引」に該当するか否かを判断する際には、例えば、以下の項目を総合的に吟味する必要がある(金融商品実務指針162項、327項~332項)。

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連載目次

「金融商品会計を学ぶ」(全29回)

【参考記事】
「減損会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「税効果会計を学ぶ」(全24回)

筆者紹介

阿部 光成

(あべ・みつまさ)

公認会計士
中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂第2版〕』(編著、商事法務)がある。

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