金融商品会計を学ぶ
【第5回】
「金融資産の権利に対する支配が他に移転したとき」
公認会計士 阿部 光成
「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)では、金融資産の消滅の認識について、「金融資産の権利に対する支配が他に移転したとき」を規定している(金融商品会計基準8項)。
本稿では、権利に対する支配の移転について解説する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅰ 支配の移転に関する基本的な考え方(財務構成要素アプローチ)
金融資産の消滅の認識に関する支配の移転については、次の2つの考え方がある(金融商品会計基準57項、金融商品実務指針244項)。
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