金融商品会計を学ぶ
【第17回】
「貸倒引当金の計上方法②」
公認会計士 阿部 光成
前回に引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)における貸倒見積高の算定について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅰ 貸倒懸念債権
1 定義
貸倒懸念債権とは、経営破綻には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性の高い債務者に対する債権である(金融商品会計基準27項(2)、金融商品実務指針112項)。
〔債務の弁済に重大な問題が生じていること〕
- 現に債務の弁済がおおむね1年以上延滞しているケース
- 弁済期間の延長又は弁済の一時棚上げ及び元金又は利息の一部を免除するなど債務者に対し弁済条件の大幅な緩和を行っているケース
〔債務の弁済に重大な問題が生じる可能性が高いこと〕
- 業況が低調ないし不安定、又は財務内容に問題があり、過去の経営成績又は経営改善計画の実現可能性を考慮しても債務の一部を条件どおりに弁済できない可能性の高いケース
- 財務内容に問題があるとは、現に債務超過である場合のみならず、債務者が有する債権の回収可能性や資産の含み損を考慮すると実質的に債務超過の状態に陥っているケース
2 貸倒見積高
貸倒懸念債権に関する貸倒見積高は、財務内容評価法又はキャッシュ・フロー見積法により算定する(金融商品実務指針113項)。
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