金融商品会計を学ぶ
【第25回】
「ヘッジ会計⑥」
公認会計士 阿部 光成
引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅰ 予定取引の定義
ヘッジ会計が適用されるヘッジ対象には、「予定取引」により発生が見込まれる資産又は負債も含まれる(金融商品会計基準30項)。
「予定取引」とは、未履行の確定契約に係る取引及び契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引をいう(金融商品会計基準注解12)。
予定取引には次の2つの種類がある(伊藤眞、荻原正佳編著『改訂8版 金融商品会計の完全解説』(財経詳報社、平成21年7月)346ページ)。
① 契約は成立していないが次の2つの要件を満たす取引(契約未締結取引)
・主要な取引条件が合理的に予測可能である(予測可能性)
・実行される可能性が極めて高い取引(実行可能性)
② 未履行の確定契約に係る取引(未履行確定契約)
Ⅱ ヘッジ対象となり得る予定取引の判断基準
金融商品会計基準注解12における「契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、それが実行される可能性が極めて高い取引」に該当するか否かを判断する際には、例えば、以下の項目を総合的に吟味する必要がある(金融商品実務指針162項、327項~332項)。
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