公開日: 2017/09/14 (掲載号:No.235)
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収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第4回】「収益の認識基準②」-契約の結合-

筆者: 阿部 光成

収益認識会計基準(案)を学ぶ

【第4回】

「収益の認識基準②」

-契約の結合-

 

公認会計士 阿部 光成

 

Ⅰ はじめに

【第2回】において、「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)における収益認識のためのステップとして、次の5つがあることを解説した。

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する。

今回は、ステップ1の「顧客との契約を識別する」のうち「契約の結合」を解説する。

なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅱ 契約の結合

1 契約の識別

【第3回】で解説したように、収益認識会計基準(案)は、「契約」を基礎として収益認識の会計処理等を規定している。

「契約」とは、法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる複数の当事者間における取決めである(収益認識会計基準(案)4項)。

収益認識会計基準(案)の適用にあたっては、「当事者が、書面、口頭、取引慣行等により契約を承認し、それぞれの義務の履行を約束していること」などの5つの要件(前回参照)のすべてを満たす顧客との契約を識別することとされている(16項)。

2 契約の結合に関する意見

収益認識に関する会計処理を行うに際して、個々の契約を単位とするのか、関連する契約がある場合には複数の契約を結合すべきなのかについては、次のように議論が行われている(第349回企業会計基準委員会(2016年 11月 18日)の審議事項(4)-2、10項、11項、15項)。

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【第4回】

「収益の認識基準②」

-契約の結合-

 

公認会計士 阿部 光成

 

Ⅰ はじめに

【第2回】において、「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)における収益認識のためのステップとして、次の5つがあることを解説した。

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する。

今回は、ステップ1の「顧客との契約を識別する」のうち「契約の結合」を解説する。

なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

 

Ⅱ 契約の結合

1 契約の識別

【第3回】で解説したように、収益認識会計基準(案)は、「契約」を基礎として収益認識の会計処理等を規定している。

「契約」とは、法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる複数の当事者間における取決めである(収益認識会計基準(案)4項)。

収益認識会計基準(案)の適用にあたっては、「当事者が、書面、口頭、取引慣行等により契約を承認し、それぞれの義務の履行を約束していること」などの5つの要件(前回参照)のすべてを満たす顧客との契約を識別することとされている(16項)。

2 契約の結合に関する意見

収益認識に関する会計処理を行うに際して、個々の契約を単位とするのか、関連する契約がある場合には複数の契約を結合すべきなのかについては、次のように議論が行われている(第349回企業会計基準委員会(2016年 11月 18日)の審議事項(4)-2、10項、11項、15項)。

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連載目次

収益認識会計基準(案)を学ぶ
(全15回)

【参考記事】
「金融商品会計を学ぶ」(全29回)

【参考記事】
「減損会計を学ぶ」(全24回)

【参考記事】
「税効果会計を学ぶ」(全24回)

筆者紹介

阿部 光成

(あべ・みつまさ)

公認会計士
中央大学商学部卒業。阿部公認会計士事務所。

現在、豊富な知識・情報力を活かし、コンサルティング業のほか各種実務セミナー講師を務める。
企業会計基準委員会会社法対応専門委員会専門委員、日本公認会計士協会連結範囲専門委員会専門委員長、比較情報検討専門委員会専門委員長を歴任。

主な著書に、『新会計基準の実務』(編著、中央経済社)、『企業会計における時価決定の実務』(共著、清文社)、『新しい事業報告・計算書類―経団連ひな型を参考に―〔全訂第2版〕』(編著、商事法務)がある。

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