連結会計を学ぶ
【第2回】
「連結の範囲・支配の概念」
公認会計士 阿部 光成
Ⅰ はじめに
連結財務諸表は、支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業集団)を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものである(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)1項)。
【第2回】では、連結財務諸表の範囲を決定するための親会社と子会社の定義について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅱ 親会社と子会社
前述のとおり、連結財務諸表は、支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団(企業集団)に関する財務諸表なので、「支配」の概念がポイントになる。
連結会計基準は支配の概念を中心にして、親会社及び子会社などについて、次のように定義している(連結会計基準5~6項、8項)。
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