酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第66回】
「新聞報道からみる租税法(その3)」
中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦
《(その1)はこちら》
はじめに
1 メディアと国民と国家
(1) メディアにおけるゲートキーパー機能
(2) 世論形成とマスコミ報道
(3) メディア報道を意識する国
2 メディア報道と裁判例―興銀事件―
3 新聞報道と「知ること」―予測(予見)可能性―
(1) 監査請求に係る「正当な理由」該当性
《(その2)はこちら》
(2) 遡及立法と新聞報道
(3) 更正の予知と新聞報道
(ア) 事件の概要
更正の予知がない段階で提出された修正申告には過少申告加算税が課されず免除されるところ、かかる更正の予知の認定に新聞報道が影響を及ぼした事例として、いわゆるルノワール事件がある。
この事件は、ルノワールの絵画「浴後の女」と「読書する女」の売買取引において、買い主であるD商事の主張する絵画購入費と実際に売り主に支払われた金額について、15億円相当の差額が行方不明になっているなどとして世間の注目を集めた取引を巡り、かかる取引の仲介を取り持ったX(原告・控訴人)の仲介手数料の計上漏れに関して争われた事件である。
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