公開日: 2017/01/12 (掲載号:No.201)
文字サイズ

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第49回】「限られた租税行政資源と『税務に関するコーポレートガバナンス』(その1)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第49回】

「限られた租税行政資源と『税務に関するコーポレートガバナンス』(その1)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

1 コンプライアンス違反に対する企業と国民の意識

近年、ガバナンス(企業統治)の問題が大きな注目を集めていることは言を俟たない。

企業不祥事に係る原因究明の際には、内部統制システムが適切に働いていなかった点などが必ず指摘され、組織ぐるみの不祥事隠蔽が、企業価値減少という多大な損害をもたらした多くの事例がある。こうした企業不祥事は、これらの企業に、「コンプライアンス」、すなわち法令遵守の体制が定着していないことの表れであるといえよう。

三菱自動車のリコール隠し問題や、東芝の不正会計、マクドナルドの食品偽装問題など、大手企業のコンプライアンス違反に係る事例も枚挙に暇がない。それらの各種報道を通じて、消費者も企業コンプライアンスや、コーポレートガバナンスについて関心を抱いていることであろう。

このような企業不祥事の絶えない中、コーポレートガバナンスは、アベノミクスの議論の中において一層注目を浴びてきた。

例えば、平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015―未来への投資・生産性革命―」において、「産業の新陳代謝を加速し、未来に向けた投資を増やしていくためには、最終的には、企業経営者自らの大胆な決断こそが必要」であるとし、そのためのアクションプランの1つとしてコーポレートガバナンスの強化が再確認されている。

また、経済産業省は、神田秀樹教授(東京大学)を座長とする「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」においてコーポレートガバナンスのあり方を検討してきており、平成27年7月24日に、その研究成果を「コーポレート・ガバナンスの実践~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」として公表するなどしている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第49回】

「限られた租税行政資源と『税務に関するコーポレートガバナンス』(その1)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

1 コンプライアンス違反に対する企業と国民の意識

近年、ガバナンス(企業統治)の問題が大きな注目を集めていることは言を俟たない。

企業不祥事に係る原因究明の際には、内部統制システムが適切に働いていなかった点などが必ず指摘され、組織ぐるみの不祥事隠蔽が、企業価値減少という多大な損害をもたらした多くの事例がある。こうした企業不祥事は、これらの企業に、「コンプライアンス」、すなわち法令遵守の体制が定着していないことの表れであるといえよう。

三菱自動車のリコール隠し問題や、東芝の不正会計、マクドナルドの食品偽装問題など、大手企業のコンプライアンス違反に係る事例も枚挙に暇がない。それらの各種報道を通じて、消費者も企業コンプライアンスや、コーポレートガバナンスについて関心を抱いていることであろう。

このような企業不祥事の絶えない中、コーポレートガバナンスは、アベノミクスの議論の中において一層注目を浴びてきた。

例えば、平成27年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015―未来への投資・生産性革命―」において、「産業の新陳代謝を加速し、未来に向けた投資を増やしていくためには、最終的には、企業経営者自らの大胆な決断こそが必要」であるとし、そのためのアクションプランの1つとしてコーポレートガバナンスの強化が再確認されている。

また、経済産業省は、神田秀樹教授(東京大学)を座長とする「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」においてコーポレートガバナンスのあり方を検討してきており、平成27年7月24日に、その研究成果を「コーポレート・ガバナンスの実践~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」として公表するなどしている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

◆最新テーマ

◆これまでに取り上げたテーマ

(※) タイトルをクリックするとご覧いただけます。

筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

関連書籍

現代税法入門塾

石村耕治 編

「税関の税務調査」と消費税の更正の請求

税理士 八ッ尾順一 監修 税理士 杉澤雄一 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

入門税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

図解 租税法ノート

八ッ尾順一 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

わたしは税金

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

税法基本判例 Ⅰ

谷口勢津夫 著

先進事例と実践 人的資本経営と情報開示

EY新日本有限責任監査法人 編 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 編

社長!税務調査の事前対策してますか

公認会計士・税理士 清原裕平 著

企業戦略としての役員報酬

弁護士 中西和幸 著

気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩

公認会計士 石王丸周夫 著

ドローン・ビジネスと法規制

森・濱田松本法律事務所 AI・IoTプラクティスグループ 編 弁護士 戸嶋浩二 編集代表 弁護士 林 浩美 編集代表 弁護士 岡田 淳 編集代表

実務必須の重要税務判例70

弁護士 菊田雅裕 著

法務コンプライアンス実践ガイド

弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#