公開日: 2020/01/16 (掲載号:No.352)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第84回】「立法資料から税法を読み解く(その3)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第84回】

「立法資料から税法を読み解く(その3)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

《(その1)はこちら

はじめに

Ⅰ 申告期限内の2以上の申告書

1 問題の所在

2 申告期限内の2以上の申告書が提出された事例

3 吸収説と併存説

4 学説

《(その2)はこちら

Ⅱ 立法当時の議論を紐解く

1 国税通則法小委員会

2 当初申告と一体とされる訂正申告書

 

Ⅲ 実務的取扱いと原則的排他性

1 所得税基本通達120-4

それでは、実務的にはいかなる取扱いとなっているのであろうか。

この点について、所得税基本通達を確認してみたい。

所得税基本通達120-4《同一人から2以上の申告書が提出された場合》

法定申告期限内に同一人から法第120条に規定する申告書、法第122条に規定する申告書又は法第123条《確定損失申告》に規定する申告書のうち種類を異にするものが2以上又は種類を同じくするものが2以上提出された場合には、特段の申出(法定申告期限内における申出に限る。)がない限り、当該2以上の申告書のうち最後に提出された申告書をもって、それぞれの規定により提出された申告書とする。

これは、前回立法資料として紹介した当時の国税通則法小委員会における議論と同様の考え方であり、いわば吸収説的な立場に立った考え方であるといえよう。

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〈深読み◆租税法〉

【第84回】

「立法資料から税法を読み解く(その3)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

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はじめに

Ⅰ 申告期限内の2以上の申告書

1 問題の所在

2 申告期限内の2以上の申告書が提出された事例

3 吸収説と併存説

4 学説

《(その2)はこちら

Ⅱ 立法当時の議論を紐解く

1 国税通則法小委員会

2 当初申告と一体とされる訂正申告書

 

Ⅲ 実務的取扱いと原則的排他性

1 所得税基本通達120-4

それでは、実務的にはいかなる取扱いとなっているのであろうか。

この点について、所得税基本通達を確認してみたい。

所得税基本通達120-4《同一人から2以上の申告書が提出された場合》

法定申告期限内に同一人から法第120条に規定する申告書、法第122条に規定する申告書又は法第123条《確定損失申告》に規定する申告書のうち種類を異にするものが2以上又は種類を同じくするものが2以上提出された場合には、特段の申出(法定申告期限内における申出に限る。)がない限り、当該2以上の申告書のうち最後に提出された申告書をもって、それぞれの規定により提出された申告書とする。

これは、前回立法資料として紹介した当時の国税通則法小委員会における議論と同様の考え方であり、いわば吸収説的な立場に立った考え方であるといえよう。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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