公開日: 2024/08/08 (掲載号:No.581)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第134回】「消費税の性質論(その2)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第134回】

「消費税の性質論(その2)」

 

中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦

 

《(その1)はこちら

はじめに

1 事案の概要

(1) 概観

(2) Y1の責任

(3) Y2の責任

(4) 共同不法行為

2 Xの具体的な主張

(1) 消費税の問題点

(2) 消費税の違憲性

(3) Xらの損害

3 判決の要旨

 

4 検討

(1) 「実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネ」

本件判決が、「仕入れ税額控除制度等は、運用如何によっては、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネを許す余地を含んだ制度であることは否定できない。しかし、税制改革法はむしろ適正な転嫁を要求しているのであるから、右制度が、事業者に対して、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないしピンハネを法的に保障しているということはできない。したがって、消費税法それ自体が財産権を侵害するものとはいえない。」としている点は注目すべきである。

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【第134回】

「消費税の性質論(その2)」

 

中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦

 

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はじめに

1 事案の概要

(1) 概観

(2) Y1の責任

(3) Y2の責任

(4) 共同不法行為

2 Xの具体的な主張

(1) 消費税の問題点

(2) 消費税の違憲性

(3) Xらの損害

3 判決の要旨

 

4 検討

(1) 「実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネ」

本件判決が、「仕入れ税額控除制度等は、運用如何によっては、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネを許す余地を含んだ制度であることは否定できない。しかし、税制改革法はむしろ適正な転嫁を要求しているのであるから、右制度が、事業者に対して、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないしピンハネを法的に保障しているということはできない。したがって、消費税法それ自体が財産権を侵害するものとはいえない。」としている点は注目すべきである。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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