酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第134回】
「消費税の性質論(その2)」
中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦
《(その1)はこちら》
はじめに
1 事案の概要
(1) 概観
(2) Y1の責任
(3) Y2の責任
(4) 共同不法行為
2 Xの具体的な主張
(1) 消費税の問題点
(2) 消費税の違憲性
(3) Xらの損害
3 判決の要旨
4 検討
(1) 「実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネ」
本件判決が、「仕入れ税額控除制度等は、運用如何によっては、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネを許す余地を含んだ制度であることは否定できない。しかし、税制改革法はむしろ適正な転嫁を要求しているのであるから、右制度が、事業者に対して、消費者に対する実質的な過剰転嫁ないしピンハネを法的に保障しているということはできない。したがって、消費税法それ自体が財産権を侵害するものとはいえない。」としている点は注目すべきである。
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