公開日: 2023/08/17 (掲載号:No.531)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第122回】「節税商品取引を巡る法律問題(その16)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第122回】

「節税商品取引を巡る法律問題(その16)」

 

中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦

 

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《(その1)はこちら

はじめに

Ⅰ 節税商品取引における「投資者保護」の必要性

1 一般的金融商品取引と投資者保護

2 節税商品取引と投資者保護

小括

《(その2)はこちら

Ⅱ 節税商品取引を抽出する研究の試み

1 米国訴訟との比較による節税商品過誤訴訟の今後の趨勢

2 米国におけるタックスシェルター・マルプラクティス訴訟の状況

3 我が国の節税商品過誤訴訟の状況

4 節税商品取引を巡る環境の変化

5 タックスシェルター・マルプラクティス訴訟と節税商品過誤訴訟の相違点

《(その3)はこちら

Ⅲ 節税商品の特殊構造と特有な説明義務の模索の必要性

1 節税商品の特殊構造

(1) 商品の二重構造性

(2) リスクの二重構造性

(3) 商品の新規性

《(その4)はこちら

2 説明内容の二重構造性

3 説明義務者の専門的知識の欠如の問題(説明義務者の適合性の問題)

4 小括

《(その5)はこちら

Ⅳ 説明義務者の適格性―説明者の専門的知識の欠如

1 問題点の所在

2 販売者の専門的知識の欠如が問題とされた事例

(1) 米国財務省証券事件(①事件)

(2) 等価交換によるマンション建設勧誘事件(②事件)

3 節税商品販売者の専門的知識の欠如

4 節税商品取引における税理士の役割

《(その6)はこちら

Ⅴ 消極的説明義務

1 税理士への説明行為の委任

2 消極的説明義務

3 専門的知識の欠如した者及び税理士でない者に係る消極的説明義務

《(その7)はこちら

Ⅵ 租税法の不知・誤解

1 会計業務専門会社への依頼

(1) 第一審東京地裁平成28年10月12日判決

(2) 控訴審東京高裁平成29年3月22日判決(判例集未登載)

2 「高名な」税理士の助言

《(その8)はこちら

Ⅶ 最近の節税商品取引と租税リテラシー

1 節税マンション投資

2 税務署・国税局を名乗るメール

3 成人向け租税リテラシー教育の重要性

《(その9)はこちら

Ⅷ 租税リテラシー教育の意義

1 成人向け租税リテラシー教育

2 リスキリングと成人教育

3 攻めの教育と守りの教育

《(その10)はこちら

4 金融リテラシー教育との協調

(1) 金融リテラシー

(2) 金融リテラシー教育の充実

(3) 生きる力としての租税リテラシー教育

《(その11)はこちら

Ⅸ 節税商品取引に係る情報提供の重要性

1 問題関心~税務当局からの情報提供

2 文書回答手続

(1) 予測可能性の確保

(2) 文書回答手続

《(その12)はこちら

(3) 文書回答手続と節税商品取引

《(その13)はこちら

Ⅹ 広報活動と納税者への情報提供

1 政府広報

2 国税庁による広報活動

3 小括

《(その14)はこちら

4 国税庁の広報活動(予算額・執行額)

5 広報活動と租税リテラシーの醸成

《(その15)はこちら

Ⅺ 金融教育としての租税リテラシー教育

1 金融経済教育懇談会

(1) 現状認識

(2) 課題

(3) 教育の担い手

(4) 広報活動と教育活動

(5) 金融教育における政府に求められる役割

 

Ⅺ 金融教育としての租税リテラシー教育(承前)

2 金融経済教育研究会

(1) 金融経済教育研究会報告書

金融経済教育研究会は、平成25年4月30日に「金融経済教育研究会報告書」(以下「研究会報告書」という。)を発表した(※)

(※) 金融経済教育研究会は、金融経済教育の現状を改めて把握するとともに、我が国における金融経済教育の今後のあり方について検討を行うこととして、平成24年(2012年)11月、金融庁金融研究センターに、有識者、関係省庁、関係団体をメンバーとして設置された。研究会報告書は、今後の金融経済教育の進め方について、知識の習得に加え行動面を重視するとともに、最低限習得すべき金融リテラシーを明確化し、関係者で共有を図るべきといった議論を踏まえ、とりまとめられたものである。

研究会報告書は、金融経済教育の意義・目的として、生活スキルとしての金融リテラシー、健全で質の高い金融商品の供給を促す金融リテラシー、我が国の家計金融資産の有効活用につながる金融リテラシーの3つを掲げている。その中でも、生活スキルとしての金融リテラシーについて、次のように報告している(下線筆者)。

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「節税商品取引を巡る法律問題(その16)」

 

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酒井 克彦

 

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はじめに

Ⅰ 節税商品取引における「投資者保護」の必要性

1 一般的金融商品取引と投資者保護

2 節税商品取引と投資者保護

小括

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Ⅱ 節税商品取引を抽出する研究の試み

1 米国訴訟との比較による節税商品過誤訴訟の今後の趨勢

2 米国におけるタックスシェルター・マルプラクティス訴訟の状況

3 我が国の節税商品過誤訴訟の状況

4 節税商品取引を巡る環境の変化

5 タックスシェルター・マルプラクティス訴訟と節税商品過誤訴訟の相違点

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Ⅲ 節税商品の特殊構造と特有な説明義務の模索の必要性

1 節税商品の特殊構造

(1) 商品の二重構造性

(2) リスクの二重構造性

(3) 商品の新規性

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2 説明内容の二重構造性

3 説明義務者の専門的知識の欠如の問題(説明義務者の適合性の問題)

4 小括

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Ⅳ 説明義務者の適格性―説明者の専門的知識の欠如

1 問題点の所在

2 販売者の専門的知識の欠如が問題とされた事例

(1) 米国財務省証券事件(①事件)

(2) 等価交換によるマンション建設勧誘事件(②事件)

3 節税商品販売者の専門的知識の欠如

4 節税商品取引における税理士の役割

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Ⅴ 消極的説明義務

1 税理士への説明行為の委任

2 消極的説明義務

3 専門的知識の欠如した者及び税理士でない者に係る消極的説明義務

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Ⅵ 租税法の不知・誤解

1 会計業務専門会社への依頼

(1) 第一審東京地裁平成28年10月12日判決

(2) 控訴審東京高裁平成29年3月22日判決(判例集未登載)

2 「高名な」税理士の助言

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Ⅶ 最近の節税商品取引と租税リテラシー

1 節税マンション投資

2 税務署・国税局を名乗るメール

3 成人向け租税リテラシー教育の重要性

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Ⅷ 租税リテラシー教育の意義

1 成人向け租税リテラシー教育

2 リスキリングと成人教育

3 攻めの教育と守りの教育

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4 金融リテラシー教育との協調

(1) 金融リテラシー

(2) 金融リテラシー教育の充実

(3) 生きる力としての租税リテラシー教育

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Ⅸ 節税商品取引に係る情報提供の重要性

1 問題関心~税務当局からの情報提供

2 文書回答手続

(1) 予測可能性の確保

(2) 文書回答手続

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(3) 文書回答手続と節税商品取引

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Ⅹ 広報活動と納税者への情報提供

1 政府広報

2 国税庁による広報活動

3 小括

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4 国税庁の広報活動(予算額・執行額)

5 広報活動と租税リテラシーの醸成

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Ⅺ 金融教育としての租税リテラシー教育

1 金融経済教育懇談会

(1) 現状認識

(2) 課題

(3) 教育の担い手

(4) 広報活動と教育活動

(5) 金融教育における政府に求められる役割

 

Ⅺ 金融教育としての租税リテラシー教育(承前)

2 金融経済教育研究会

(1) 金融経済教育研究会報告書

金融経済教育研究会は、平成25年4月30日に「金融経済教育研究会報告書」(以下「研究会報告書」という。)を発表した(※)

(※) 金融経済教育研究会は、金融経済教育の現状を改めて把握するとともに、我が国における金融経済教育の今後のあり方について検討を行うこととして、平成24年(2012年)11月、金融庁金融研究センターに、有識者、関係省庁、関係団体をメンバーとして設置された。研究会報告書は、今後の金融経済教育の進め方について、知識の習得に加え行動面を重視するとともに、最低限習得すべき金融リテラシーを明確化し、関係者で共有を図るべきといった議論を踏まえ、とりまとめられたものである。

研究会報告書は、金融経済教育の意義・目的として、生活スキルとしての金融リテラシー、健全で質の高い金融商品の供給を促す金融リテラシー、我が国の家計金融資産の有効活用につながる金融リテラシーの3つを掲げている。その中でも、生活スキルとしての金融リテラシーについて、次のように報告している(下線筆者)。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

関連書籍

現代税法入門塾

石村耕治 編

入門税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

図解 租税法ノート

八ッ尾順一 著

わたしは税金

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

税法基本判例 Ⅰ

谷口勢津夫 著

先進事例と実践 人的資本経営と情報開示

EY新日本有限責任監査法人 編 EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 編

関係者間取引の法務と税務

タックス・ロー合同研究会 編著 土森俊秀 著 角田智美 著 秋山高善 著 永竿敬子 著 滝口利子 著 鈴木 修 著

気候変動リスクと会社経営 はじめの一歩

公認会計士 石王丸周夫 著

ドローン・ビジネスと法規制

森・濱田松本法律事務所 AI・IoTプラクティスグループ 編 弁護士 戸嶋浩二 編集代表 弁護士 林 浩美 編集代表 弁護士 岡田 淳 編集代表

相続・事業承継に役立つ生命保険活用術

税理士法人レディング 税理士 木下勇人 著

法務コンプライアンス実践ガイド

弁護士・青山学院大学法学部教授 浜辺陽一郎 著

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