公開日: 2013/12/12 (掲載号:No.48)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第11回】「内縁の妻は配偶者控除の適用を受けられるか?(その2)」~租税行政への配慮と実質に従った租税法の適用姿勢~

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第11回】

「内縁の妻は配偶者控除の適用を受けられるか?(その2)」

~租税行政への配慮と実質に従った租税法の適用姿勢~

 

国士舘大学法学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

1 租税行政事務への配慮

内縁の妻に配偶者控除を認めることにより、租税行政事務に重大な支障を来たしはしないかという問題もあろう。

この点について、前回一部を紹介した大阪地裁昭和36年9月19日判決(行裁例集12巻9号1801頁)は次のように論じている。

問題は徴税事務に重大な支障を来たしはしないかの点である。もし徴税機関が内縁関係(いかなる男女間の関係を指すかは学説、判例又は健康保険法等の各条項により、容易に判明するところである。)の発生日時を確定しなければならないとすると、その認定は非常に困難である。この点が問題の大部分である。

実際問題として、租税行政庁において、内縁の妻かそれ以外の単なる私通関係であるか、婚姻関係であるかを見極めることが可能であろうか。この点について考える必要があるかもしれない。

もっとも、租税法には、内縁関係であることの認定を前提とする規定がいくつも存在している。

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〈深読み◆租税法〉

【第11回】

「内縁の妻は配偶者控除の適用を受けられるか?(その2)」

~租税行政への配慮と実質に従った租税法の適用姿勢~

 

国士舘大学法学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

1 租税行政事務への配慮

内縁の妻に配偶者控除を認めることにより、租税行政事務に重大な支障を来たしはしないかという問題もあろう。

この点について、前回一部を紹介した大阪地裁昭和36年9月19日判決(行裁例集12巻9号1801頁)は次のように論じている。

問題は徴税事務に重大な支障を来たしはしないかの点である。もし徴税機関が内縁関係(いかなる男女間の関係を指すかは学説、判例又は健康保険法等の各条項により、容易に判明するところである。)の発生日時を確定しなければならないとすると、その認定は非常に困難である。この点が問題の大部分である。

実際問題として、租税行政庁において、内縁の妻かそれ以外の単なる私通関係であるか、婚姻関係であるかを見極めることが可能であろうか。この点について考える必要があるかもしれない。

もっとも、租税法には、内縁関係であることの認定を前提とする規定がいくつも存在している。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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