酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第11回】
「内縁の妻は配偶者控除の適用を受けられるか?(その2)」
~租税行政への配慮と実質に従った租税法の適用姿勢~
国士舘大学法学部教授・法学博士
酒井 克彦
1 租税行政事務への配慮
内縁の妻に配偶者控除を認めることにより、租税行政事務に重大な支障を来たしはしないかという問題もあろう。
この点について、前回一部を紹介した大阪地裁昭和36年9月19日判決(行裁例集12巻9号1801頁)は次のように論じている。
問題は徴税事務に重大な支障を来たしはしないかの点である。もし徴税機関が内縁関係(いかなる男女間の関係を指すかは学説、判例又は健康保険法等の各条項により、容易に判明するところである。)の発生日時を確定しなければならないとすると、その認定は非常に困難である。この点が問題の大部分である。
実際問題として、租税行政庁において、内縁の妻かそれ以外の単なる私通関係であるか、婚姻関係であるかを見極めることが可能であろうか。この点について考える必要があるかもしれない。
もっとも、租税法には、内縁関係であることの認定を前提とする規定がいくつも存在している。
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