酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第136回】
「消費税の性質論(その4)」
中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦
《(その1)はこちら》
はじめに
1 事案の概要
(1) 概観
(2) Y1の責任
(3) Y2の責任
(4) 共同不法行為
2 Xの具体的な主張
(1) 消費税の問題点
(2) 消費税の違憲性
(3) Xらの損害
3 判決の要旨
《(その2)はこちら》
4 検討
(1) 「実質的な過剰転嫁ないし実質的なピンハネ」
(2) 「転嫁」を予定する租税
(3) 「転嫁」が予定されている他の租税
《(その3)はこちら》
(4) 小括
(5) 類似事例
4 検討(承前)
(6) 消費税の納税義務者
本件判決は、「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底いえない。」と断じており、納税者の主張を排斥している。
これは、本件判決が論じるとおり、消費税法にも税制改革法にも消費者が消費税の納税義務者とは規定されていないことからすれば当然の結論のように思われるが、果たして、そもそも、「消費税の実質的負担者ではあるが」とする説示の部分は正解しているといえるのであろうか。
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