公開日: 2025/03/13 (掲載号:No.610)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第138回】「消費税法における「課税仕入れの日」(その2)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第138回】

「消費税法における「課税仕入れの日」(その2)」

 

中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦

 

《(その1)はこちら

はじめに

Ⅰ 素材とする事案

1 概観

2 事実関係

(1) 本件売買契約の締結

(2) 本件売買契約締結後の経緯

3 争点

4 当事者の主張

(1) Xの主張の要旨

(2) Yの主張の要旨

5 判決の要旨

(1) 大阪地裁令和2年3月11日判決

(2) 大阪高裁令和2年11月26日判決

6 検討

(1) 「課税仕入れを行った日」と「資産の譲渡等を行った日」

6 検討(承前)

(2) 権利確定主義と無条件請求権説

消費税法30条1項1号にいう「課税仕入れを行った日」がいつを指すのかについては、同法に明確に規定されているわけではないから、解釈に委ねられることになる。この点、「課税仕入れを行った日」と「資産の譲渡等」の時期を同様の基準により判断すべきか否かについては、本件地裁判決がこれを否定するのに対して、本件高裁判決はこれを肯定している。本件高裁判決が説示しているのは、所得税法や法人税法における課税の時期の議論で中心的に展開されている無条件請求権説である。無条件請求権説に立った引渡基準が採用されているといってよかろう。

本件高裁判決は、次のように論じる。

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〈深読み◆租税法〉

【第138回】

「消費税法における「課税仕入れの日」(その2)」

 

中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦

 

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はじめに

Ⅰ 素材とする事案

1 概観

2 事実関係

(1) 本件売買契約の締結

(2) 本件売買契約締結後の経緯

3 争点

4 当事者の主張

(1) Xの主張の要旨

(2) Yの主張の要旨

5 判決の要旨

(1) 大阪地裁令和2年3月11日判決

(2) 大阪高裁令和2年11月26日判決

6 検討

(1) 「課税仕入れを行った日」と「資産の譲渡等を行った日」

6 検討(承前)

(2) 権利確定主義と無条件請求権説

消費税法30条1項1号にいう「課税仕入れを行った日」がいつを指すのかについては、同法に明確に規定されているわけではないから、解釈に委ねられることになる。この点、「課税仕入れを行った日」と「資産の譲渡等」の時期を同様の基準により判断すべきか否かについては、本件地裁判決がこれを否定するのに対して、本件高裁判決はこれを肯定している。本件高裁判決が説示しているのは、所得税法や法人税法における課税の時期の議論で中心的に展開されている無条件請求権説である。無条件請求権説に立った引渡基準が採用されているといってよかろう。

本件高裁判決は、次のように論じる。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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税理士 安部和彦 著
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