酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第20回】
「医療費控除の対象となる『医薬品』(その2)」
中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦
Ⅱ 借用概念と一般概念
自然医食品の医療費控除適用の有無について、前回紹介した福島地裁平成11年6月22日判決は、
Xが購入した自然医食品なるものは、独自の医学理論に基き独自の治療法を行うというM医師の処方した『食餌箋』なるものに基づく、およそ薬事法2条1項に規定される医薬品に該当しようもない、健康茶、加工食品、薬草茶、食品の類であり、Xが主観的にその医学的な効能をいかに信奉していたとしても、社会通念上、右自然医食品の購入費用をもって、疾病の診療又は治療として必要な対価とも、疾病の治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価とも認めることができないことは明らかである。
したがって、Yが自然医食品の購入費について医療費控除の対象となる医療費と認めなかったことに違法はない。
としている。
ここでは、特に医療費控除の対象となる「医薬品」について関心を寄せたいが、福島地裁は、かかる自然医食品の購入費用を社会通念からみて「疾病の治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価」と認めることができないとしている。
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