酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第64回】
「新聞報道からみる租税法(その1)」
中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦
はじめに
インターネットの発達に伴い、近年新聞の売上部数は減少傾向にあるといわれているが、さりとて新聞をはじめとしたメディア報道が、世論形成に与える影響は依然として大きいと考える。
平たく言えば、「景気が良いと思うか悪いと思うか」、「現在の政治についてどう考えるか」、そのような国民の経済感覚、政治感覚は、相当程度メディア報道に依拠して左右されているのではなかろうか。自ら積極的に、国の公開する情報にアクセスして白書等を読み込み、国会審議を逐次チェックして情報を収集し判断している一般の国民はおそらくほんの一握りもいないであろう。
租税法が多分に政治的・経済的な要素を含む法律であることを踏まえれば、メディアがどのように「租税法」の情報を報道するかによって国民の意識は大きく左右されるように思われる。
逆にいえば、メディア報道が世論を形成し、法律の制定や改正に働きかけることも十分にあり得るであろうし、そうであるとすれば、そうして形成された世論が「社会通念」となり、司法判断の材料となることもあり得るであろう。
そこで、今回は、メディア報道のうち、特に新聞による報道を切り口にして租税法を眺めることとしてみたい。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。