公開日: 2018/10/11 (掲載号:No.289)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第69回】「統計数値が租税法解釈に与える影響(その3)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第69回】

「統計数値が租税法解釈に与える影響(その3)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

《(その1)はこちら

はじめに

Ⅰ 統計とは何か?

Ⅱ 統計と立法・行政

(1) 標本調査

(2) 統計年報

(3) 国税庁レポート

(4) 法改正の具体例

《(その2)はこちら

Ⅲ 租税法における統計数値が及ぼす影響

1 大島訴訟

2 総評サラリーマン税金訴訟

 

3 サラリーマンマイカー訴訟

統計的視角が租税法の解釈適用に影響を及ぼした例として、いわゆるサラリーマンマイカー訴訟も確認しておきたい。

会計事務所に勤務する給与所得者であるX(原告・控訴人・上告人)は、自家用車(以下「本件自動車」という。)を自損事故により破損させ、修理をすることなくスクラップ業者に3,000円で売却した。Xはかかる売却により、自動車の帳簿価額30万円から売却価額を控除した29万7,000円の譲渡損失が生じたとして、給与所得と損益通算をして確定申告をした。これに対して、税務署長Y(被告・被控訴人・被上告人)は、かかる譲渡損失の金額は給与所得と損益通算をすることはできないとして更正処分を行った。本件は、かかる処分を不服として、Xが提訴したものである。

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酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第69回】

「統計数値が租税法解釈に与える影響(その3)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

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はじめに

Ⅰ 統計とは何か?

Ⅱ 統計と立法・行政

(1) 標本調査

(2) 統計年報

(3) 国税庁レポート

(4) 法改正の具体例

《(その2)はこちら

Ⅲ 租税法における統計数値が及ぼす影響

1 大島訴訟

2 総評サラリーマン税金訴訟

 

3 サラリーマンマイカー訴訟

統計的視角が租税法の解釈適用に影響を及ぼした例として、いわゆるサラリーマンマイカー訴訟も確認しておきたい。

会計事務所に勤務する給与所得者であるX(原告・控訴人・上告人)は、自家用車(以下「本件自動車」という。)を自損事故により破損させ、修理をすることなくスクラップ業者に3,000円で売却した。Xはかかる売却により、自動車の帳簿価額30万円から売却価額を控除した29万7,000円の譲渡損失が生じたとして、給与所得と損益通算をして確定申告をした。これに対して、税務署長Y(被告・被控訴人・被上告人)は、かかる譲渡損失の金額は給与所得と損益通算をすることはできないとして更正処分を行った。本件は、かかる処分を不服として、Xが提訴したものである。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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