酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第91回】
「法令相互間の適用原則から読み解く租税法(その1)」
~所管事項の原則~
中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦
はじめに
租税法が法である限り法解釈・適用の一般原則が適用されることになる。しかし、ときとして、租税法律主義の支配する租税法領域においては、租税実体法を前提とした議論の展開が重視され過ぎるがゆえに、必ずしも法解釈・一般適用の原理が強く意識されているとは限らない。
そこで、租税法の個別具体の問題解決場面、すなわち租税法の解釈適用が、いかに法解釈・適用の一般原理を前提として展開されているか検証を行うこととしたい。
本稿では、特に、法令相互間の適用原則たる「所管事項の原則」について関心を寄せることとしよう。
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