酒井克彦の
〈深読み◆租税法〉
【第132回】
「消費税法上の実質行為者課税の原則(その5)」
中央大学法科大学院教授・法学博士
酒井 克彦
《(その1)はこちら》
はじめに
Ⅰ 素材とする事案
1 概観
2 前提事実
(1) 当事者
(2) 受託契約約款の定め
(3) A場における牛枝肉取引の流れ
(4) 買受人との間の約定の締結
(5) 債権の貸倒れに至る経緯
3 争点
4 判決の要旨
《(その2)はこちら》
Ⅱ 実質所得者課税の原則
1 形式と実質
2 原因・結果アプローチ
《(その3)はこちら》
Ⅲ 消費税法の本質と実質性の追求
1 「享受」という概念
2 随時税・行為税という性質
3 売上税という性質
《(その4)はこちら》
Ⅳ 所得課税法における実質課税の原則との径庭
1 所得税法・法人税法と消費税法
2 消費税法における所得の不追求
3 信託に係る実質的帰属者
4 本件判決
Ⅳ 所得課税法における実質課税の原則との径庭(承前)
4 本件判決(承前)
これまで見てきたとおり、所得税法や法人税法における実質所得者課税の原則の建付けは、原則を法律的帰属説により捉え、例外的に、信託税制を経済的帰属説によって説明するという構図であった。
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