公開日: 2014/11/13 (掲載号:No.94)
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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第23回】「法人税法22条2項の「取引」の意義(その2)」

筆者: 酒井 克彦

酒井克彦の

〈深読み◆租税法〉

【第23回】

「法人税法22条2項の「取引」の意義(その2)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

《(その1)はこちら

はじめに

Ⅰ オーブンシャ・ホールディング事件

1 事案の概要

2 当事者の主張

この事件では、法人税法22条2項にいう「取引」の意義が重要な論点とされた。

法人税法22条《各事業年度の所得の金額の計算》2項

内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。〔下線筆者〕

以下では、簡単に判決をみてみたい。

3 判決の要旨

第一審東京地裁平成13年11月9日判決(判時1784号45頁)は、本件増資は、B社と、有利な条件でB社から新株の発行を受けたC社との間の行為にほかならず、X社はC社に対して何らの行為もしていないというほかないとして、更正処分を違法と認定した。

これに対して、控訴審東京高裁平成16年1月28日判決(訟月50巻8号2512頁)は、次のように判示してX社の主張を排斥した。

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酒井克彦の

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【第23回】

「法人税法22条2項の「取引」の意義(その2)」

 

中央大学商学部教授・法学博士
酒井 克彦

 

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はじめに

Ⅰ オーブンシャ・ホールディング事件

1 事案の概要

2 当事者の主張

この事件では、法人税法22条2項にいう「取引」の意義が重要な論点とされた。

法人税法22条《各事業年度の所得の金額の計算》2項

内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。〔下線筆者〕

以下では、簡単に判決をみてみたい。

3 判決の要旨

第一審東京地裁平成13年11月9日判決(判時1784号45頁)は、本件増資は、B社と、有利な条件でB社から新株の発行を受けたC社との間の行為にほかならず、X社はC社に対して何らの行為もしていないというほかないとして、更正処分を違法と認定した。

これに対して、控訴審東京高裁平成16年1月28日判決(訟月50巻8号2512頁)は、次のように判示してX社の主張を排斥した。

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連載目次

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉

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筆者紹介

酒井 克彦

(さかい・かつひこ)

法学博士(中央大学)。
国税庁等での勤務を経て、現在、中央大学法科大学院教授として、法科大学院のほか税務大学校等でも教鞭をとる。
一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。

一般社団法人ファルクラム https://fulcrumtax.net/
一般社団法人アコード租税総合研究所 http://accordtax.net/

【著書】
「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈―判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』(2015年、清文社)
「相当性」をめぐる認定判断と税務解釈―借地権課税における「相当の地代」を主たる論点として』(2013年、清文社)
『スタートアップ租税法〔第4版〕』(2021年)、『クローズアップ保険税務』(2016年)その他5冊のアップシリーズ(財経詳報社)
『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』(2021年)、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』(2019年)、『裁判例からみる税務調査』(2020年)、『裁判例からみる保険税務』(2021年、大蔵財務協会)
『レクチャー租税法解釈入門』(2015年、弘文堂)
『プログレッシブ税務会計論Ⅰ〔第2版〕、Ⅱ〔第2版〕、Ⅲ、Ⅳ』(Ⅰ、Ⅱ 2018年、Ⅲ 2019年、Ⅳ 2020年、中央経済社)
『アクセス税務通達の読み方』(2016年)、『税理士業務に活かす!通達のチェックポイント -法人税裁判事例精選20』(2017年)、『同 -所得税裁判事例精選20』(2018年)、『同-相続税裁判事例精選20』(2019年、第一法規)
『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(2019年)、その他5冊のキャッチアップシリーズ(ぎょうせい)
その他書籍・論文多数

 

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