企業結合会計を学ぶ
【第9回】
「取得原価の配分方法④」
-退職給付に係る負債への配分、ヘッジ会計の適用、暫定的な会計処理-
公認会計士 阿部 光成
Ⅰ はじめに
前回に引き続き、取得原価の配分方法に関して解説する。
今回は、退職給付に係る負債への配分、ヘッジ会計の適用、暫定的な会計処理について解説する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
Ⅱ 退職給付に係る負債への取得原価の配分
確定給付制度による退職給付に係る負債は、企業結合日において、受け入れた制度ごとに「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号)に基づいて算定した退職給付債務及び年金資産の正味の価額を基礎として取得原価を配分するので、被取得企業における未認識項目は、取得企業には引き継がれないことになる(結合分離適用指針67項)。
次のことに注意する(結合分離適用指針67項)。
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