〔会計不正調査報告書を読む〕
【第88回】
ホシザキ株式会社
「第三者委員会調査報告書(2019年5月5日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2018(平成30)年10月30日
「当社子会社における不適切な取引行為判明による社内調査委員会設置に関するお知らせ」 - 同年12月6日
「社内調査委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ」 - 同年12月14日
「第73期第3四半期報告書の期限までの提出遅延及び当社株式の管理銘柄(確認中)指定の見込みに関するお知らせ」 - 同年12月27日
「社内調査委員会の追加調査報告書公表に関するお知らせ」 - 2019(平成31)年2月13日
「平成30年12月期決算発表の延期に関するお知らせ」 - 同年2月25日
「社外有識者のみを委員とする第三者委員会設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
寺田 昌弘(弁護士)
【委 員】
竹内 朗(弁護士)
金子 昌嗣(公認会計士)
他に調査補助者として、弁護士27名、公認会計士(米国公認会計士含む)50名、データアナリティクス担当者5名、デジタル・フォレンジック担当者5名が調査に参加している。
〔調査期間〕
2019(平成31)年2月25日から2019(令和元)年5月4日
〔調査の目的〕
① ホシザキ東海のエリア営業部で、平成30年1月1日から同年12月31日までの間に、いわゆる「貸し借り」に代表される不正行為が行われていた事実等(以下「本件問題」という)に係る事実関係の調査
② 本件問題に類似する問題の存否及び事実関係の調査
③ 本件問題へのホシザキの組織的関与の有無の調査
④ 上記①及び②で確認された事実関係の原因分析及び再発防止策の提言
⑤ 上記のほか、当委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2019(令和元)年5月7日
「第三者委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ」 - 同年5月29日
「コンプライアンス・内部統制強化策等について」
【ホシザキ株式会社の概要】
ホシザキ株式会社(以下「ホシザキ」と略称する)は、1947(昭和22)年2月設立。フードサービス機器の研究開発、製造、販売及び保守を主たる事業とする。全自動製氷機、業務用厨房機器などの製造販売では国内最大手。国内外に子会社53社(うち連結子会社51社)を有している。売上高292,774百万円、経常利益36,372百万円、資本金8,008百万円。従業員数12,982名(いずれも平成30年12月期、連結ベース)。本店所在地は愛知県豊明市。東京証券取引所1部及び名古屋証券取引所1部上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。
【調査報告書の概要】
1 社内調査委員会による調査結果
(1) 連結子会社における内部通報
2018(平成30)年9月24日、ホシザキの連結子会社であるホシザキ東海株式会社(以下「ホシザキ東海」と略称する)の代表取締役は、ホシザキ東海エリア営業部の一部の営業担当者が不適切なリース取引や架空発注等の取引行為(本件取引行為)を行っている可能性がある旨の内部通報を受け取った。
ホシザキとホシザキ東海では、約1ヶ月かけて、本件取引行為の実態を調査するためホシザキ東海の従業員及び協力業者にヒアリング調査等を実施したところ、ホシザキ東海において、複数の営業担当者により実態のない工事発注や不適切なリース取引等の不適切な取引行為が行われていたことが判明した。
こうした初動調査を経て、社外有識者を主要メンバーとする社内調査委員会が設置されることとなった。
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