公開日: 2023/04/13 (掲載号:No.515)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第140回】株式会社東京衡機「第三者委員会調査報告書(2023年3月3日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第140回】

株式会社東京衡機

「第三者委員会調査報告書(2023年3月3日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社東京衡機第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委 員 長】

倉橋 博文(弁護士、弁護士法人ほくと総合法律事務所)

【委 員】

髙橋 謙(弁護士、髙橋法律事務所)

井上 寅喜(公認会計士、株式会社アカウンティング・アドバイザリー)

【調査補助者】

弁護士法人ほくと総合法律事務所:

高橋康平(弁護士)、金子恭介(弁護士)

大知法律事務所:

高野哲也(弁護士)、山下嘉(弁護士)、岸本悠(弁護士)、金侑里香(弁護士)

株式会社アカウンティング・アドバイザリー:

池内宏幸(公認会計士)、齋藤哲(公認会計士)、平井太(弁護士)

〔調査期間〕

2022年12月9日から2023年3月2日まで

〔特別調査委員会設置の目的〕

  • 外部機関より指摘された商事事業に係る売上計上等に係る疑義及びG1社の連結要否の検討についての客観的な事実関係の調査(本件事案)
  • 類似取引の有無の調査(本件類似事案)
  • 上記の調査及び検証の結果、これが連結財務諸表に影響を与えるものと認められる場合には、その影響額の算定
  • 上記について問題が認められた場合の原因の究明及び再発防止策の提言
  • その他、上記に付随して当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社東京衡機の概要】

株式会社東京衡機(以下「東京衡機」と略称する)は、1923(大正12)年3月、合資会社東京衡機製作所として創立。株式会社への改組、社名変更を経て、2013(平成25)年9月、現社名に変更。試験機事業、商事事業及びエンジニアリング事業を主たる事業とし、国内連結子会社3社を有している。売上7,449百万円、経常利益259百万円、資本金500百万円。従業員数141名(2022年2月期訂正前連結実績)。本店所在地は神奈川県相模原市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人はアスカ監査法人、2022年5月から監査法人アリア。

Dream Bridge株式会社(東京都渋谷区)が、発行済み株式の30.03%を有する筆頭株主で、同社前代表取締役の石渡隆生氏(報告書上の表記は「B1」氏)は、2017年5月に東京衡機の取締役に就任し、2022年2月に退任している。現在の代表取締役は小塚英一郎氏で、同氏は2022年2月から東京衡機の取締役に就任している。同社と東京衡機の間に取引関係はない(※)

(※) 東京衡機「支配株主等に関する事項について

 

【第三者委員会による調査報告書の概要】

1 第三者委員会設置の経緯

東京衡機は、2022年11月、外部機関から、東京衡機及びその連結子会社である株式会社東京衡機エンジニアリング(以下「東京衡機エンジニアリング」と略称する)が2019年2月期より展開していた商事事業につき、実質的には東京衡機(又は東京衡機エンジニアリング)が取引の主体となっていない代理人取引や金融的取引等が含まれている疑義のほか、商事事業の主要な取引先であるG1社を東京衡機の連結子会社として取り扱うべきかどうかを検討する必要性がある旨の指摘を受けた。

東京衡機は、このような指摘を受けたことから、前記疑義等についての客観的な事実関係を明らかにするとともに、本件疑義が認められた場合にはその原因等を明確にする必要があると考え、東京衡機及びその連結子会社と利害関係のない外部の有識者で構成される第三者委員会を設置して、本件疑義についての調査を委嘱した。

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【第140回】

株式会社東京衡機

「第三者委員会調査報告書(2023年3月3日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社東京衡機第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委 員 長】

倉橋 博文(弁護士、弁護士法人ほくと総合法律事務所)

【委 員】

髙橋 謙(弁護士、髙橋法律事務所)

井上 寅喜(公認会計士、株式会社アカウンティング・アドバイザリー)

【調査補助者】

弁護士法人ほくと総合法律事務所:

高橋康平(弁護士)、金子恭介(弁護士)

大知法律事務所:

高野哲也(弁護士)、山下嘉(弁護士)、岸本悠(弁護士)、金侑里香(弁護士)

株式会社アカウンティング・アドバイザリー:

池内宏幸(公認会計士)、齋藤哲(公認会計士)、平井太(弁護士)

〔調査期間〕

2022年12月9日から2023年3月2日まで

〔特別調査委員会設置の目的〕

  • 外部機関より指摘された商事事業に係る売上計上等に係る疑義及びG1社の連結要否の検討についての客観的な事実関係の調査(本件事案)
  • 類似取引の有無の調査(本件類似事案)
  • 上記の調査及び検証の結果、これが連結財務諸表に影響を与えるものと認められる場合には、その影響額の算定
  • 上記について問題が認められた場合の原因の究明及び再発防止策の提言
  • その他、上記に付随して当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社東京衡機の概要】

株式会社東京衡機(以下「東京衡機」と略称する)は、1923(大正12)年3月、合資会社東京衡機製作所として創立。株式会社への改組、社名変更を経て、2013(平成25)年9月、現社名に変更。試験機事業、商事事業及びエンジニアリング事業を主たる事業とし、国内連結子会社3社を有している。売上7,449百万円、経常利益259百万円、資本金500百万円。従業員数141名(2022年2月期訂正前連結実績)。本店所在地は神奈川県相模原市。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人はアスカ監査法人、2022年5月から監査法人アリア。

Dream Bridge株式会社(東京都渋谷区)が、発行済み株式の30.03%を有する筆頭株主で、同社前代表取締役の石渡隆生氏(報告書上の表記は「B1」氏)は、2017年5月に東京衡機の取締役に就任し、2022年2月に退任している。現在の代表取締役は小塚英一郎氏で、同氏は2022年2月から東京衡機の取締役に就任している。同社と東京衡機の間に取引関係はない(※)

(※) 東京衡機「支配株主等に関する事項について

 

【第三者委員会による調査報告書の概要】

1 第三者委員会設置の経緯

東京衡機は、2022年11月、外部機関から、東京衡機及びその連結子会社である株式会社東京衡機エンジニアリング(以下「東京衡機エンジニアリング」と略称する)が2019年2月期より展開していた商事事業につき、実質的には東京衡機(又は東京衡機エンジニアリング)が取引の主体となっていない代理人取引や金融的取引等が含まれている疑義のほか、商事事業の主要な取引先であるG1社を東京衡機の連結子会社として取り扱うべきかどうかを検討する必要性がある旨の指摘を受けた。

東京衡機は、このような指摘を受けたことから、前記疑義等についての客観的な事実関係を明らかにするとともに、本件疑義が認められた場合にはその原因等を明確にする必要があると考え、東京衡機及びその連結子会社と利害関係のない外部の有識者で構成される第三者委員会を設置して、本件疑義についての調査を委嘱した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第140回 ※クリックするとご覧いただけます。

第141回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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