公開日: 2019/07/11 (掲載号:No.326)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第88回】ホシザキ株式会社「第三者委員会調査報告書(2019年5月5日付)」 

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第88回】

ホシザキ株式会社

「第三者委員会調査報告書(2019年5月5日付)」 

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

寺田 昌弘(弁護士)

【委 員】

竹内 朗(弁護士)

金子 昌嗣(公認会計士)

他に調査補助者として、弁護士27名、公認会計士(米国公認会計士含む)50名、データアナリティクス担当者5名、デジタル・フォレンジック担当者5名が調査に参加している。

〔調査期間〕

2019(平成31)年2月25日から2019(令和元)年5月4日

〔調査の目的〕

① ホシザキ東海のエリア営業部で、平成30年1月1日から同年12月31日までの間に、いわゆる「貸し借り」に代表される不正行為が行われていた事実等(以下「本件問題」という)に係る事実関係の調査

② 本件問題に類似する問題の存否及び事実関係の調査

③ 本件問題へのホシザキの組織的関与の有無の調査

④ 上記①及び②で確認された事実関係の原因分析及び再発防止策の提言

⑤ 上記のほか、当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【ホシザキ株式会社の概要】

ホシザキ株式会社(以下「ホシザキ」と略称する)は、1947(昭和22)年2月設立。フードサービス機器の研究開発、製造、販売及び保守を主たる事業とする。全自動製氷機、業務用厨房機器などの製造販売では国内最大手。国内外に子会社53社(うち連結子会社51社)を有している。売上高292,774百万円、経常利益36,372百万円、資本金8,008百万円。従業員数12,982名(いずれも平成30年12月期、連結ベース)。本店所在地は愛知県豊明市。東京証券取引所1部及び名古屋証券取引所1部上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。

 

【調査報告書の概要】

1 社内調査委員会による調査結果

(1) 連結子会社における内部通報

2018(平成30)年9月24日、ホシザキの連結子会社であるホシザキ東海株式会社(以下「ホシザキ東海」と略称する)の代表取締役は、ホシザキ東海エリア営業部の一部の営業担当者が不適切なリース取引や架空発注等の取引行為(本件取引行為)を行っている可能性がある旨の内部通報を受け取った。

ホシザキとホシザキ東海では、約1ヶ月かけて、本件取引行為の実態を調査するためホシザキ東海の従業員及び協力業者にヒアリング調査等を実施したところ、ホシザキ東海において、複数の営業担当者により実態のない工事発注や不適切なリース取引等の不適切な取引行為が行われていたことが判明した。

こうした初動調査を経て、社外有識者を主要メンバーとする社内調査委員会が設置されることとなった。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第88回】

ホシザキ株式会社

「第三者委員会調査報告書(2019年5月5日付)」 

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

寺田 昌弘(弁護士)

【委 員】

竹内 朗(弁護士)

金子 昌嗣(公認会計士)

他に調査補助者として、弁護士27名、公認会計士(米国公認会計士含む)50名、データアナリティクス担当者5名、デジタル・フォレンジック担当者5名が調査に参加している。

〔調査期間〕

2019(平成31)年2月25日から2019(令和元)年5月4日

〔調査の目的〕

① ホシザキ東海のエリア営業部で、平成30年1月1日から同年12月31日までの間に、いわゆる「貸し借り」に代表される不正行為が行われていた事実等(以下「本件問題」という)に係る事実関係の調査

② 本件問題に類似する問題の存否及び事実関係の調査

③ 本件問題へのホシザキの組織的関与の有無の調査

④ 上記①及び②で確認された事実関係の原因分析及び再発防止策の提言

⑤ 上記のほか、当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【ホシザキ株式会社の概要】

ホシザキ株式会社(以下「ホシザキ」と略称する)は、1947(昭和22)年2月設立。フードサービス機器の研究開発、製造、販売及び保守を主たる事業とする。全自動製氷機、業務用厨房機器などの製造販売では国内最大手。国内外に子会社53社(うち連結子会社51社)を有している。売上高292,774百万円、経常利益36,372百万円、資本金8,008百万円。従業員数12,982名(いずれも平成30年12月期、連結ベース)。本店所在地は愛知県豊明市。東京証券取引所1部及び名古屋証券取引所1部上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。

 

【調査報告書の概要】

1 社内調査委員会による調査結果

(1) 連結子会社における内部通報

2018(平成30)年9月24日、ホシザキの連結子会社であるホシザキ東海株式会社(以下「ホシザキ東海」と略称する)の代表取締役は、ホシザキ東海エリア営業部の一部の営業担当者が不適切なリース取引や架空発注等の取引行為(本件取引行為)を行っている可能性がある旨の内部通報を受け取った。

ホシザキとホシザキ東海では、約1ヶ月かけて、本件取引行為の実態を調査するためホシザキ東海の従業員及び協力業者にヒアリング調査等を実施したところ、ホシザキ東海において、複数の営業担当者により実態のない工事発注や不適切なリース取引等の不適切な取引行為が行われていたことが判明した。

こうした初動調査を経て、社外有識者を主要メンバーとする社内調査委員会が設置されることとなった。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第100回 ※クリックするとご覧いただけます。

第101回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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