公開日: 2020/04/23 (掲載号:No.366)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第99回】株式会社共和コーポレーション「第三者委員会調査報告書(2020年3月13日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第99回】

株式会社共和コーポレーション

「第三者委員会調査報告書(2020年3月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

高橋 聖明(弁護士)

【委 員】

田下 佳代(弁護士)

弓場 法(公認会計士)

調査補助者として、株式会社KPMG FASの公認会計士及びデジタルフォレンジック専門家、計15名を起用した。

〔調査期間〕

2019年12月16日から2020年3月9日まで

〔調査目的〕

① A社、共和及びB社間の架空取引の疑義及び担当者による競業取引に関する事実確認調査

② 前号に類似する取引の有無の調査

③ 本件が生じた原因の分析と再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【株式会社共和コーポレーションの概要】

株式会社共和コーポレーション(以下「共和」と略称する)は、1982(昭和57)年1月創業、1986(昭和61)年5月設立。アミューズメント施設(ゲームセンター、バッティングセンター、ボーリング場など)の運営、ゲーム機器販売などを主たる事業とする。売上高12,168百万円、経常利益485百万円、資本金693百万円、従業員数177名(いずれも訂正前2019年3月期実績)。本店所在地は長野県長野市。東京証券取引所2部上場。会計監査人はEY新日本有限責任監査法人。

 

【調査報告書の概要】

2019年12月2日、共和は、「債権の取立不能または取立遅延のおそれに関するお知らせ」を公表し、ゲーム機等の販売先である株式会社アーネスト(以下、報告書と同じ「A社」と略称する)が破産申立て準備中であることから、A社に対する売掛金142百万円が取立不能又は取立遅延のおそれが生じたことをリリースした。

共和は、その後、債権回収のために情報収集の過程で、A社との取引が現物を伴わない架空取引であるとの疑惑を生じたことなどから、社内では十分な調査ができないと判断して、同月26日に第三者委員会を設置して、調査を委嘱することとなった。

第三者委員会が認定した架空取引に基づく資金循環額は、過去5年間で、1,719百万円、粗利益ベースで97百万円に達した。

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【第99回】

株式会社共和コーポレーション

「第三者委員会調査報告書(2020年3月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

高橋 聖明(弁護士)

【委 員】

田下 佳代(弁護士)

弓場 法(公認会計士)

調査補助者として、株式会社KPMG FASの公認会計士及びデジタルフォレンジック専門家、計15名を起用した。

〔調査期間〕

2019年12月16日から2020年3月9日まで

〔調査目的〕

① A社、共和及びB社間の架空取引の疑義及び担当者による競業取引に関する事実確認調査

② 前号に類似する取引の有無の調査

③ 本件が生じた原因の分析と再発防止策の提言

〔調査結果〕

 

【株式会社共和コーポレーションの概要】

株式会社共和コーポレーション(以下「共和」と略称する)は、1982(昭和57)年1月創業、1986(昭和61)年5月設立。アミューズメント施設(ゲームセンター、バッティングセンター、ボーリング場など)の運営、ゲーム機器販売などを主たる事業とする。売上高12,168百万円、経常利益485百万円、資本金693百万円、従業員数177名(いずれも訂正前2019年3月期実績)。本店所在地は長野県長野市。東京証券取引所2部上場。会計監査人はEY新日本有限責任監査法人。

 

【調査報告書の概要】

2019年12月2日、共和は、「債権の取立不能または取立遅延のおそれに関するお知らせ」を公表し、ゲーム機等の販売先である株式会社アーネスト(以下、報告書と同じ「A社」と略称する)が破産申立て準備中であることから、A社に対する売掛金142百万円が取立不能又は取立遅延のおそれが生じたことをリリースした。

共和は、その後、債権回収のために情報収集の過程で、A社との取引が現物を伴わない架空取引であるとの疑惑を生じたことなどから、社内では十分な調査ができないと判断して、同月26日に第三者委員会を設置して、調査を委嘱することとなった。

第三者委員会が認定した架空取引に基づく資金循環額は、過去5年間で、1,719百万円、粗利益ベースで97百万円に達した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第140回 ※クリックするとご覧いただけます。

第141回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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