公開日: 2016/03/10 (掲載号:No.160)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第43回】ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社「独立調査委員会報告書(平成27年11月6日、12月8日及び18日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第43回】

ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社

「独立調査委員会報告書(平成27年11月6日、12月8日及び18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【独立調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔社内調査委員会〕

委員長:相澤 光江(弁護士)
副委員長:増田 健一(弁護士・1次及び2次調査参加)
副委員長:田淵 正信(公認会計士・2次調査のみ参加)
委 員:
相澤 豪(弁護士)
谷津 朋美(弁護士)
米田 紀子(弁護士・1次及び2次調査参加)
塚本 英巨(弁護士・1次及び2次調査参加)
河江 健史(公認会計士・2次調査のみ参加)

〔調査期間〕

2015(平成27)年8月17日(第1次調査開始日)から12月17日(第3次調査終了日)まで

〔調査目的〕

【第1次調査】
会計監査人から指摘された疑義について、(1)事実関係及びその経緯・動機の把握、(2)代表取締役会長の会社法違反の有無に関する法的評価、(3)内部統制システムの評価を行うとともに、問題が存在した場合には原因分析と再発防止策を提言すること。

【第2次調査】
第1次調査の対象となった事項に類似した案件の存在を網羅的に調査し、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。

【第3次調査】
子会社である盛田株式会社の拡売費の見積りが過少であった件に関する事実関係、経営者に関与の有無及び度合いに関する事実認定を行い、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。

(注) 拡売費とは、自社製品の販売促進を目的に、小売店が行うセールや特売時の原資として、通常販売価格からの値下げ分をメーカーが卸問屋や小売店に補填するための費用をいう。

〔適時開示〕

 

【ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社の概要】

ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社(以下「JFLA」と略称する)は、明治29年設立の若林合名会社(後に若林酒類販売株式会社から忠勇株式会社へと社名変更)と明治40年設立の丸金醤油株式会社が、2000(平成12)年4月に合併してマルキン忠勇株式会社と社名変更を行った後、持株会社化(平成18年2月)した。連結子会社において、食品類・酒類の製造販売事業及び輸入食品・酒類の販売事業を行っている。連結売上高24,425百万円、包括利益288百万円。従業員数557名(数字はいずれも平成27年9月期)。本店所在地、香川県小豆郡小豆島町。東京証券取引所二部上場。

 

【第1次調査報告書のポイント】

1 会計監査人による疑義の指摘

JFLAの会計監査人である栄監査法人は、平成27年9月期の監査の過程で、代表取締役会長盛田英夫氏(以下「盛田会長」と略称する)の経費支出について使途不明分が判明したこと、盛田会長が実質的に支配する法人に対する貸付金の回収処理の妥当性、盛田会長と一定の関係がある個人・法人に対する業務委託料の金額の合理性について疑義があることから、7月30日、外部調査が必要であることをJFLA役員に告知した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第43回】

ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社

「独立調査委員会報告書(平成27年11月6日、12月8日及び18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【独立調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔社内調査委員会〕

委員長:相澤 光江(弁護士)
副委員長:増田 健一(弁護士・1次及び2次調査参加)
副委員長:田淵 正信(公認会計士・2次調査のみ参加)
委 員:
相澤 豪(弁護士)
谷津 朋美(弁護士)
米田 紀子(弁護士・1次及び2次調査参加)
塚本 英巨(弁護士・1次及び2次調査参加)
河江 健史(公認会計士・2次調査のみ参加)

〔調査期間〕

2015(平成27)年8月17日(第1次調査開始日)から12月17日(第3次調査終了日)まで

〔調査目的〕

【第1次調査】
会計監査人から指摘された疑義について、(1)事実関係及びその経緯・動機の把握、(2)代表取締役会長の会社法違反の有無に関する法的評価、(3)内部統制システムの評価を行うとともに、問題が存在した場合には原因分析と再発防止策を提言すること。

【第2次調査】
第1次調査の対象となった事項に類似した案件の存在を網羅的に調査し、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。

【第3次調査】
子会社である盛田株式会社の拡売費の見積りが過少であった件に関する事実関係、経営者に関与の有無及び度合いに関する事実認定を行い、不適切なものの存在が認められる場合には、背景や原因を分析し、再発防止策を提言すること。

(注) 拡売費とは、自社製品の販売促進を目的に、小売店が行うセールや特売時の原資として、通常販売価格からの値下げ分をメーカーが卸問屋や小売店に補填するための費用をいう。

〔適時開示〕

 

【ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社の概要】

ジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社(以下「JFLA」と略称する)は、明治29年設立の若林合名会社(後に若林酒類販売株式会社から忠勇株式会社へと社名変更)と明治40年設立の丸金醤油株式会社が、2000(平成12)年4月に合併してマルキン忠勇株式会社と社名変更を行った後、持株会社化(平成18年2月)した。連結子会社において、食品類・酒類の製造販売事業及び輸入食品・酒類の販売事業を行っている。連結売上高24,425百万円、包括利益288百万円。従業員数557名(数字はいずれも平成27年9月期)。本店所在地、香川県小豆郡小豆島町。東京証券取引所二部上場。

 

【第1次調査報告書のポイント】

1 会計監査人による疑義の指摘

JFLAの会計監査人である栄監査法人は、平成27年9月期の監査の過程で、代表取締役会長盛田英夫氏(以下「盛田会長」と略称する)の経費支出について使途不明分が判明したこと、盛田会長が実質的に支配する法人に対する貸付金の回収処理の妥当性、盛田会長と一定の関係がある個人・法人に対する業務委託料の金額の合理性について疑義があることから、7月30日、外部調査が必要であることをJFLA役員に告知した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第140回 ※クリックするとご覧いただけます。

第141回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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