公開日: 2019/11/14 (掲載号:No.344)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第92回】株式会社平山ホールディングス「第三者委員会調査報告書(2019年9月6日付)」 

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第92回】

株式会社平山ホールディングス

「第三者委員会調査報告書(2019年9月6日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

増田 健一(弁護士)

【委 員】

岩田 知孝(弁護士・公認会計士)

三宅 英貴(弁護士)

調査補助者として、アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の弁護士4名及び株式会社KPMG FAS所属の公認会計士ら14名が、調査手続きを行った。

〔調査期間〕

2019年8月2日から同年9月5日まで

〔調査の目的〕

① FUNtoFUN 株式会社(以下「FTF社」と略称する)が株式会社大松自動車(以下「大松自動車」と略称する)に対して2019年4月から6月にかけて売上計上した本件コンサル取引、有料職業紹介取引及び労働者派遣取引の事実関係の解明

② 本件調査対象取引に係る会計処理の妥当性に関する検証

③ 類似事象の確認

④ 原因の分析と再発防止策に関する提言

⑤ その他、当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社平山ホールディングス等の概要】

株式会社平山ホールディングス(以下「平山HD」と略称する)は、1955年12月創業、1967年5月設立。技術者・スタッフの派遣事業を中核に、コンサルティング事業などを主たる事業とする。2017年3月持株会社体制に移行。連結子会社12社及び非連結子会社、持分法適用関連会社各1社を有する。売上高20,841百万円、経常利益245百万円、資本金435百万円。従業員数1,878名(いずれも2019年6月期、連結ベース)。本店所在地は東京都港区。JASDAQ上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。

売上取引に係る実在性に疑義を指摘されたFTF社は、2006年創業。アウトソーシング事業、有料職業紹介事業、労働者派遣事業、労務コンサルティング業、営業コンサルティング業を主な事業内容としており、2018年7月から平山HDの傘下に入っている。

FTF社の取引の相手先である大松自動車は、三重県を拠点とし、自動車整備事業を営むとともに介護施設事業などを営んでいたが、資金繰り悪化に伴い、平山HDをスポンサー候補とするプレパッケージ型の民事再生手続を実施、2018年8月31日付で東京地方裁判所に民事再生手続の開始申立てを行い、同日付で監督命令・保全命令を受けた。その後、2019年5月22日の再生計画の認可決定を経て、平山HDは、同年7月18日に大松自動車の増資を引き受けて、全株式を取得、商号を「株式会社大松サービシーズ」に変更した。

 

【調査報告書の概要】

平山HDの会計監査人であるトーマツは、2019年6月期決算に係る監査の過程で、連結子会社であるFTF社のコンサルティング業務に関する売上計上について、その実在性に疑義を指摘した。このため、平山HDは、2019年8月2日、臨時取締役会の決議により、第三者委員会を設置して、事実関係を解明するとともに、会計処理の妥当性を検証することを委嘱した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第92回】

株式会社平山ホールディングス

「第三者委員会調査報告書(2019年9月6日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

増田 健一(弁護士)

【委 員】

岩田 知孝(弁護士・公認会計士)

三宅 英貴(弁護士)

調査補助者として、アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の弁護士4名及び株式会社KPMG FAS所属の公認会計士ら14名が、調査手続きを行った。

〔調査期間〕

2019年8月2日から同年9月5日まで

〔調査の目的〕

① FUNtoFUN 株式会社(以下「FTF社」と略称する)が株式会社大松自動車(以下「大松自動車」と略称する)に対して2019年4月から6月にかけて売上計上した本件コンサル取引、有料職業紹介取引及び労働者派遣取引の事実関係の解明

② 本件調査対象取引に係る会計処理の妥当性に関する検証

③ 類似事象の確認

④ 原因の分析と再発防止策に関する提言

⑤ その他、当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社平山ホールディングス等の概要】

株式会社平山ホールディングス(以下「平山HD」と略称する)は、1955年12月創業、1967年5月設立。技術者・スタッフの派遣事業を中核に、コンサルティング事業などを主たる事業とする。2017年3月持株会社体制に移行。連結子会社12社及び非連結子会社、持分法適用関連会社各1社を有する。売上高20,841百万円、経常利益245百万円、資本金435百万円。従業員数1,878名(いずれも2019年6月期、連結ベース)。本店所在地は東京都港区。JASDAQ上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。

売上取引に係る実在性に疑義を指摘されたFTF社は、2006年創業。アウトソーシング事業、有料職業紹介事業、労働者派遣事業、労務コンサルティング業、営業コンサルティング業を主な事業内容としており、2018年7月から平山HDの傘下に入っている。

FTF社の取引の相手先である大松自動車は、三重県を拠点とし、自動車整備事業を営むとともに介護施設事業などを営んでいたが、資金繰り悪化に伴い、平山HDをスポンサー候補とするプレパッケージ型の民事再生手続を実施、2018年8月31日付で東京地方裁判所に民事再生手続の開始申立てを行い、同日付で監督命令・保全命令を受けた。その後、2019年5月22日の再生計画の認可決定を経て、平山HDは、同年7月18日に大松自動車の増資を引き受けて、全株式を取得、商号を「株式会社大松サービシーズ」に変更した。

 

【調査報告書の概要】

平山HDの会計監査人であるトーマツは、2019年6月期決算に係る監査の過程で、連結子会社であるFTF社のコンサルティング業務に関する売上計上について、その実在性に疑義を指摘した。このため、平山HDは、2019年8月2日、臨時取締役会の決議により、第三者委員会を設置して、事実関係を解明するとともに、会計処理の妥当性を検証することを委嘱した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第100回 ※クリックするとご覧いただけます。

第101回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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