〔会計不正調査報告書を読む〕
【第90回】
すてきナイスグループ株式会社
「第三者調査委員会調査報告書(2019年7月24日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2019(令和元)年5月16日
「金融商品取引法違反の疑いによる証券取引等監視委員会および横浜地方検察庁の強制調査について」 - 同年5月30日
「「第三者委員会」の設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
日野 正晴(弁護士)
【委 員】
松井 秀樹(弁護士)
紙野 愛健(公認会計士)
他に、丸の内総合法律事務所所属の弁護士6名、各々独立した会計事務所に所属する公認会計士6名、株式会社FRONTEOが第三者委員会の調査実務を補助している。
〔調査期間〕
2019(令和元)年5月30日から同年7月24日まで
〔調査の目的〕
(1) すてきナイスの平成27年3月期に係る不動産物件の取引に関する架空売上計上の疑い(本件嫌疑)に係る事実関係の調査及び本件嫌疑に係る会計処理の適切性の検証
(2) 本件嫌疑の類似事案の有無の確認
(3) 上記(1)及び(2)において問題が発見された場合には、その原因究明及び再発防止策の提言
〔調査結果〕
- 2019(令和元)年7月24日
「第三者委員会調査報告書の受領のお知らせ」 - 同年7月25日
「当社元代表取締役等の逮捕について」 - 同年8月1日
「過年度有価証券報告書等および決算短信等の訂正に関するお知らせ」 - 同年8月23日
「第三者委員会調査報告書の受領に伴う再発防止策のお知らせ」
【すてきナイスグループ株式会社の概要】
すてきナイスグループ株式会社(以下「すてきナイス」と略称する)は、1950年6月設立。設立時の社名は市売木材。数次の商号変更を経て、2000年10月よりナイス株式会社。2007年10月、持株会社体制に移行し、商号をすてきナイスグループ株式会社に変更して、現在に至る。建築資材の販売、住宅・マンションの販売、仲介、賃貸、建築工事業などを事業領域とする。連結子会社47社を含むグループ会社は92社。売上高242,926百万円、経常利益762百万円、資本金22,069百万円。従業員数2,654名(いずれも2019年3月期、連結ベース)。本店所在地は神奈川県横浜市。東京証券取引所第1部上場。会計監査人は監査法人原会計事務所(以下「原会計事務所」と略称する)。中核となる事業会社であるナイス株式会社(以下「ナイス」と略称する)は、売上高203,239百万円、経常利益490百万円。
【調査報告書の概要】
1 第三者委員会による調査結果
(1) 業績予想の下方修正
平成27年3月期第2四半期決算で、すてきナイスは、公表していた連結業績予想を大幅に下回る実績となり、経常損失約17億円を計上するに至った。そこで、平成26年10月31日、平成27年3月期決算の業績予想を下方修正する。下方修正された業績予想と、実績については、次表のとおりである。
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