〔会計不正調査報告書を読む〕
【第92回】
株式会社平山ホールディングス
「第三者委員会調査報告書(2019年9月6日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2019年8月2日
「第三者委員会の設置のお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
増田 健一(弁護士)
【委 員】
岩田 知孝(弁護士・公認会計士)
三宅 英貴(弁護士)
調査補助者として、アンダーソン・毛利・友常法律事務所所属の弁護士4名及び株式会社KPMG FAS所属の公認会計士ら14名が、調査手続きを行った。
〔調査期間〕
2019年8月2日から同年9月5日まで
〔調査の目的〕
① FUNtoFUN 株式会社(以下「FTF社」と略称する)が株式会社大松自動車(以下「大松自動車」と略称する)に対して2019年4月から6月にかけて売上計上した本件コンサル取引、有料職業紹介取引及び労働者派遣取引の事実関係の解明
② 本件調査対象取引に係る会計処理の妥当性に関する検証
③ 類似事象の確認
④ 原因の分析と再発防止策に関する提言
⑤ その他、当委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2019年9月6日
「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」 - 同月9日
「第三者委員会の調査報告書公表等に関するお知らせ」 - 同月27日
「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」 - 同月30日
「会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ」
【株式会社平山ホールディングス等の概要】
株式会社平山ホールディングス(以下「平山HD」と略称する)は、1955年12月創業、1967年5月設立。技術者・スタッフの派遣事業を中核に、コンサルティング事業などを主たる事業とする。2017年3月持株会社体制に移行。連結子会社12社及び非連結子会社、持分法適用関連会社各1社を有する。売上高20,841百万円、経常利益245百万円、資本金435百万円。従業員数1,878名(いずれも2019年6月期、連結ベース)。本店所在地は東京都港区。JASDAQ上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ(以下「トーマツ」と略称する)。売上取引に係る実在性に疑義を指摘されたFTF社は、2006年創業。①アウトソーシング事業、②有料職業紹介事業、③労働者派遣事業、④労務コンサルティング業、⑤営業コンサルティング業を主な事業内容としており、2018年7月から平山HDの傘下に入っている。
FTF社の取引の相手先である大松自動車は、三重県を拠点とし、自動車整備事業を営むとともに介護施設事業などを営んでいたが、資金繰り悪化に伴い、平山HDをスポンサー候補とするプレパッケージ型の民事再生手続を実施、2018年8月31日付で東京地方裁判所に民事再生手続の開始申立てを行い、同日付で監督命令・保全命令を受けた。その後、2019年5月22日の再生計画の認可決定を経て、平山HDは、同年7月18日に大松自動車の増資を引き受けて、全株式を取得、商号を「株式会社大松サービシーズ」に変更した。
【調査報告書の概要】
平山HDの会計監査人であるトーマツは、2019年6月期決算に係る監査の過程で、連結子会社であるFTF社のコンサルティング業務に関する売上計上について、その実在性に疑義を指摘した。このため、平山HDは、2019年8月2日、臨時取締役会の決議により、第三者委員会を設置して、事実関係を解明するとともに、会計処理の妥当性を検証することを委嘱した。この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。