〔会計不正調査報告書を読む〕
【第139回】
株式会社オークファン
「特別調査委員会調査報告書(2023年1月13日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社オークファン特別調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2022年10月21日
「特別調査委員会の設置及び2022年9月期決算発表の延期に関するお知らせ」
〔特別調査委員会〕
【委 員】
山口 幹生(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)
高岡 俊文(公認会計士、株式会社KPMG FAS)
小田 勇一(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)
弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所に所属する弁護士大多和樹、福冨友美、土屋佑貴、立村達哉、植田美咲並びに株式会社KPMG FASに所属する公認会計士須賀永治、山口孝之、床井宏行及びデジタル・フォレンジック担当山田昴輝外12名を補助者としている。
〔調査期間〕
2022年10月21日から2023年1月13日まで
〔特別調査委員会設置の目的〕
(1) 本件架空取引に関する事実関係の調査
(2) 本件架空取引に類似する事象の有無及びその内容の調査
(3) 不適切な会計処理が判明した場合における、過年度決算の会計処理に及ぼす影響の調査
(4) 不適切な会計処理が判明した場合における、原因の究明と再発防止策の提言
(5) その他当委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2023年1月13日
「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
【株式会社オークファンの概要】
株式会社オークファン(以下「オークファン」と略称する)は、2007(平成19)年6月、株式会社デファクトスタンダードのメディア事業を新設分割して設立。在庫価値ソリューション事業、商品流通プラットフォーム事業などを主たる事業とし、国内連結子会社6社を有している。売上6,256百万円、経常利益312百万円、資本金973百万円、従業員数165名(2022年9月期連結実績)。本店所在地は東京都品川区。東京証券取引所グロース市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。架空取引が発見された株式会社SynaBiz(以下「SynaBiz」と略称する)は、2015(平成27)年7月設立。オークファンが100%出資する連結子会社で、商品流通プラットフォーム事業として「NETSEA」と称するマーケットプレイスを運用している。売上高2,785百万円、経常損失372百万円、資本金25百万円(2022年9月期実績)。代表者は、オークファン代表取締役社長の武永修一氏(以下「武永社長」と略称する)が兼務し、本店所在地はオークファンと同一の住所地である。
【特別調査委員会による調査報告書の概要】
1 特別調査委員会設置の経緯
オークファンは、外部からの指摘を契機として、SynaBizを当事者とする過年度の商品販売取引において不正又は不適切なものがなかったかどうかにつき、社内調査を進めていたところ、経済的実態を欠く架空の商品取引の存在(以下「本件架空取引」という)を複数確認したことから、2022年10月21日、それらの取引に係る事実関係の調査、類似事象の有無の確認及びその会計処理の適否の検証等を行う必要があると判断し、特別調査委員会を設置することを決定し、その旨を公表した。
調査報告書によれば、本件架空取引を概括すると、インターネットオークション運営会社が運営するオークションにて落札した商品を当該運営会社に買い戻させる取引(売上のかさ増しを目的とした経済実態のない架空取引)である。
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