〔会計不正調査報告書を読む〕
【第147回】
株式会社ビジョナリーホールディングス
「責任調査委員会調査報告書(2023年7月25日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
株式会社ビジョナリーホールディングスは、元代表取締役社長星﨑尚彦氏らの「企業価値を毀損する行為」の疑義に関する内部通報を端緒に、複数の調査委員会を立ち上げ、その調査結果を公表してきた。前回の連載【第146回】では、5月31日付の「第三者委員会調査報告書」を中心に、調査結果を検証した。【第147回】では、7月25日付の「責任調査委員会調査報告書」を中心に、調査結果の概要をまとめ、再発防止策を検証するとともに、調査報告書受領後の同社を巡る動きについて見ておきたい。
【株式会社ビジョナリーホールディングス責任調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2023年6月5日
「責任調査委員会の設置に関するお知らせ」 - 同年8月7日
「責任調査委員会への諮問事項の一部変更について」
〔責任調査委員会の構成〕
【委員長】
伊藤 広樹(弁護士/岩田合同法律事務所)
【委 員】
冨田 雄介(弁護士/岩田合同法律事務所)
坂本 朋博(弁護士・公認会計士/坂朋法律事務所)
【補助者】
岩田合同法律事務所所属の弁護士7名
森駿介、北川弘樹、豊岡啓人、松橋翔、藤原未彩、野口大資、鈴木隆世
〔調査期間〕
2023年6月3日から7月25日まで
〔責任調査委員会への委嘱事項〕
責任調査対象者が、第三者委員会報告書において指摘された問題について、取締役、監査役、委任型もしくは雇用型の執行役員又は従業員としての法的責任(ただし、民事上のものに限る)を負うか否かについて検討すること。
なお、検討に当たっては、原則として第三者委員会の調査結果に基づくこと。
〔調査結果〕
- 2023年7月26日
「責任調査委員会からの調査報告書受領と当社の対応について」 - 同年8月21日
「責任調査委員会の調査報告書(2)の受領に関するお知らせ」
【株式会社ビジョナリーホールディングスの概要】
株式会社ビジョナリーホールディングス(以下「ビジョナリーHD」と略称する)は、1976年7月に設立した有限会社メガネスーパーによって全国展開していた店舗を集約化して株式会社メガネスーパーに組織変更した後、2017年11月に株式会社メガネスーパーの単独株式移転により設立された。眼鏡・コンタクトレンズの小売事業を主たる事業とする。連結子会社5社を有している。連結売上27,001百万円、経常利益464百万円、資本金184百万円。従業員数1,377名(2023年4月期連結実績)。エムスリー株式会社(報告書上の表記は「C1社」)が発行済株式の32.88%を有する筆頭株主である。本店所在地は東京都中央区。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人はPwCあらた有限責任監査法人東京事務所。なお、前任の会計監査人は、RSM清和監査法人(2021年4月期まで)。この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
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