〔会計不正調査報告書を読む〕
【第28回】
オカモト株式会社
「第三者委員会調査報告書(平成26年12月10日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2014(平成26)年10月30日
「不適切な会計処理の判明について」
- 同年11月4日
「不適切な会計処理に係る第三者調査委員会の設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
委員長:岡 正晶(弁護士)
委 員:伊藤 尚(弁護士)
委 員:高田 正昭(公認会計士・税理士)
〔調査期間〕
2014(平成26)年11月3日から12月5日まで
〔調査依頼者〕
オカモト株式会社
〔調査目的〕
(1) 平成24年3月期から平成27年3月期の第1四半期までに行われた疑いのある棚卸資産の数量と評価額に関する不適切な会計処理に関する事実認定(経緯・手法・規模等)
(2) 本件の背景及び原因
(3) 本件の再発防止策のあり方(内部統制及び法令遵守体制についての検討を含む)
(4) 本件にかかる会社の現・旧役職員の責任のあり方
(5) 本件と類似する事象の有無(対象:直近決算)
〔適時開示〕
- 2014(平成26)年12月10日
「第三者調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
- 同年12月12日
「再発防止策に関するお知らせ」
- 同年12月26日
「再発防止策等に関するお知らせ」
オカモト株式会社の概要
オカモト株式会社(以下「オカモト」と略称する)は、1934(昭和9)年1月10日設立。医療生活用品、プラスチック製品の製造を主たる事業とする。連結売上高77,457百万円、連結経常利益4,441百万円(数字はいずれも平成26年3月期)。従業員数1,515名。本店所在地、東京都文京区。東京証券取引所第1部上場。
調査報告書のポイント
1 調査に至った経緯――従業員による不正の告白
平成26年8月中旬頃、オカモト静岡工場に勤務する従業員から、静岡工場長に対し、帳簿在庫の数量や金額を不正に操作していることを示唆する告白があり、静岡工場における内部調査、本社経理部の管理職による内部調査により、詳細な金額は不明であるものの、棚卸資産の在庫金額が約4億円過大計上されており、過年度決算の訂正が生じる可能性の高いことが判明した。
その後、社内調査を行ってきた役職員に顧問弁護士を加えた社内調査委員会の設置を経て、社外の独立した弁護士及び公認会計士のみからなる第三者委員会による調査、再発防止策の提言を受けることを決定し、平成26年11月4日、適時開示を行った。
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