〔会計不正調査報告書を読む〕
【第30回】
株式会社かわでん
「第三者委員会調査報告書(平成27年3月13日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2014(平成26)年12月25日
「当社元従業員による不正行為に関するお知らせ」
- 2015(平成27)年1月16日
「第三者委員会設置に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
委員長:宇澤 亜弓(公認会計士・公認不正検査士)
委 員:熊谷真喜(弁護士)
委 員:森田恒平(弁護士)
〔調査期間〕
2015(平成27)年1月16日から3月12日まで
〔調査依頼者〕
株式会社かわでん
〔調査目的〕
① 本件不正行為に係る事実関係の認定、発生原因及び問題点の調査分析その他の同種事例の有無の調査
② 本件不正行為に関連する内部統制、コンプライアンス、ガバナンス上の問題点の調査分析
③ 上記①及び②の調査分析結果を踏まえた再発防止策の提言
〔適時開示〕
- 2015(平成27)年3月13日
「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」
- 同年3月31日
「東京証券取引所への「改善報告書」の提出に関するお知らせ」
株式会社かわでんの概要の概要
株式会社かわでん(以下「かわでん」と略称する)は、1926(大正15)年9月創業。旧商号は川崎電気株式会社。配電盤、自動制御盤、分電盤などの配電制御設備メーカー。2004(平成16)年11月、日本証券業協会に株式を店頭登録。売上高18,179百万円、経常利益71,364百万円(数字はいずれも平成26年3月期)。従業員数564名。本店所在地、山形県南陽市。東京証券取引所JASDAQ上場。
調査報告書のポイント
1 調査に至った経緯――購買外注チーム担当者の不審
平成26年秋ころ、山形工場購買外注グループの担当者は、別の担当者に対し、平成24年9月に退職した元従業員X1から発注依頼の電話がかかってくることに疑問を抱き、チームリーダーに相談したものの、チームリーダーは問題ないとの認識を示すのみであった。その後、12月になって、グループマネージャーが、X1からの依頼に基づく発注が多額であることを知り、社内の職制上の上位者である工場長を通じ、情報を経営トップに報告する。
12月11日、取締役製造本部長、工場長、グループマネージャーらが山形工場に来社したX1を問い詰めたところ、不正な取引であったことを認めるに至ったため、12月19日に社内調査委員会を設置して調査を行うとともに、平成27年1月16日、本件不正行為の事実解明などを目的として、かわでんと利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される第三者委員会を設置したものである。
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