公開日: 2015/10/22 (掲載号:No.141)
文字サイズ

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第38回】サンリン株式会社「社内調査委員会調査報告書(平成27年9月10日付)」

筆者: 米澤 勝

 

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第38回】

サンリン株式会社

「社内調査委員会調査報告書(平成27年9月10日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔社内調査委員会〕

委員長:山根 伸右(当社社外監査役・独立役員・弁護士)
副委員長:川窪 磯男(当社代表取締役専務)
委 員:
大槻 清人(当社常務取締役管理本部長)
須澤 孝充(当社取締役監査部長)
坂内 富夫(当社常勤監査役)
川岸 隆(当社常勤監査役)

〔調査期間〕

2015(平成27)年7月29日から9月9日まで

〔調査目的〕

(1) 不正な資金横領および不適切な会計処理の特定

(2) 横領金の資金使途の把握

(3) 不正行為が発生した原因および背景に関する調査の実施

(4) 本事案に類似する不正な資金横領の有無の確認

(5) 不適切な会計処理の訂正方針の立案

(6) 再発防止のための内部統制上および業務運営上の改善策の提言

(7) 社内関係者の責任の所在、程度に関する提言

〔適時開示〕

 

【サンリン株式会社の概要】

サンリン株式会社(以下「サンリン」と略称する)は、1934(昭和9)年12月設立のエネルギー関連商社。連結売上高32,121百万円、連結経常利益1,134百万円(数字はいずれも平成27年3月期)。従業員数492名。本店所在地、長野県東筑摩郡。JASDAQ上場。

 

【調査報告書のポイント】

1 不正行為が発覚した経緯

8月3日付リリースによれば、不正行為は、監査法人による四半期レビューの過程において端緒が発見され、ヒアリング・裏付け調査の結果、発覚したものである。

平成28年3月期第1四半期決算の処理及び監査法人の四半期レビューの過程において、平成27年7月24日に当社一支店における棚卸資産残高の異常な変動を発見し、同年7月27日及び28日に現地に赴きヒアリング並びに裏付け調査を行ったところ、当該支店における一部の取引について、一名の従業員による架空仕入を利用した金銭着服の事実を隠ぺいするため、架空棚卸資産及び架空売上の計上という不正操作の可能性が複数年に及んでいることが発覚いたしました。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

 

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第38回】

サンリン株式会社

「社内調査委員会調査報告書(平成27年9月10日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【調査委員会の概要】

〔適時開示(不正発覚)〕

〔社内調査委員会〕

委員長:山根 伸右(当社社外監査役・独立役員・弁護士)
副委員長:川窪 磯男(当社代表取締役専務)
委 員:
大槻 清人(当社常務取締役管理本部長)
須澤 孝充(当社取締役監査部長)
坂内 富夫(当社常勤監査役)
川岸 隆(当社常勤監査役)

〔調査期間〕

2015(平成27)年7月29日から9月9日まで

〔調査目的〕

(1) 不正な資金横領および不適切な会計処理の特定

(2) 横領金の資金使途の把握

(3) 不正行為が発生した原因および背景に関する調査の実施

(4) 本事案に類似する不正な資金横領の有無の確認

(5) 不適切な会計処理の訂正方針の立案

(6) 再発防止のための内部統制上および業務運営上の改善策の提言

(7) 社内関係者の責任の所在、程度に関する提言

〔適時開示〕

 

【サンリン株式会社の概要】

サンリン株式会社(以下「サンリン」と略称する)は、1934(昭和9)年12月設立のエネルギー関連商社。連結売上高32,121百万円、連結経常利益1,134百万円(数字はいずれも平成27年3月期)。従業員数492名。本店所在地、長野県東筑摩郡。JASDAQ上場。

 

【調査報告書のポイント】

1 不正行為が発覚した経緯

8月3日付リリースによれば、不正行為は、監査法人による四半期レビューの過程において端緒が発見され、ヒアリング・裏付け調査の結果、発覚したものである。

平成28年3月期第1四半期決算の処理及び監査法人の四半期レビューの過程において、平成27年7月24日に当社一支店における棚卸資産残高の異常な変動を発見し、同年7月27日及び28日に現地に赴きヒアリング並びに裏付け調査を行ったところ、当該支店における一部の取引について、一名の従業員による架空仕入を利用した金銭着服の事実を隠ぺいするため、架空棚卸資産及び架空売上の計上という不正操作の可能性が複数年に及んでいることが発覚いたしました。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

仮装経理の実務対応

税理士 鈴木清孝 著

不正会計リスクにどう立ち向かうか!

公認会計士・公認不正検査士 宇澤亜弓 著

社会福祉法人の不正防止・内部統制・監査

全国社会福祉法人会計研究会 編著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#