〔会計不正調査報告書を読む〕
【第38回】
サンリン株式会社
「社内調査委員会調査報告書(平成27年9月10日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔適時開示(不正発覚)〕
- 2015(平成27)年8月3日
「当社従業員による不正行為のお知らせ並びに平成28年3月期第1四半期決算発表延期のお知らせ」
〔社内調査委員会〕
委員長:山根 伸右(当社社外監査役・独立役員・弁護士)
副委員長:川窪 磯男(当社代表取締役専務)
委 員:
大槻 清人(当社常務取締役管理本部長)
須澤 孝充(当社取締役監査部長)
坂内 富夫(当社常勤監査役)
川岸 隆(当社常勤監査役)
〔調査期間〕
2015(平成27)年7月29日から9月9日まで
〔調査目的〕
(1) 不正な資金横領および不適切な会計処理の特定
(2) 横領金の資金使途の把握
(3) 不正行為が発生した原因および背景に関する調査の実施
(4) 本事案に類似する不正な資金横領の有無の確認
(5) 不適切な会計処理の訂正方針の立案
(6) 再発防止のための内部統制上および業務運営上の改善策の提言
(7) 社内関係者の責任の所在、程度に関する提言
〔適時開示〕
- 2015(平成27)年9月10日
「社内調査委員会の調査結果等について」
【サンリン株式会社の概要】
サンリン株式会社(以下「サンリン」と略称する)は、1934(昭和9)年12月設立のエネルギー関連商社。連結売上高32,121百万円、連結経常利益1,134百万円(数字はいずれも平成27年3月期)。従業員数492名。本店所在地、長野県東筑摩郡。JASDAQ上場。
【調査報告書のポイント】
1 不正行為が発覚した経緯
8月3日付リリースによれば、不正行為は、監査法人による四半期レビューの過程において端緒が発見され、ヒアリング・裏付け調査の結果、発覚したものである。
平成28年3月期第1四半期決算の処理及び監査法人の四半期レビューの過程において、平成27年7月24日に当社一支店における棚卸資産残高の異常な変動を発見し、同年7月27日及び28日に現地に赴きヒアリング並びに裏付け調査を行ったところ、当該支店における一部の取引について、一名の従業員による架空仕入を利用した金銭着服の事実を隠ぺいするため、架空棚卸資産及び架空売上の計上という不正操作の可能性が複数年に及んでいることが発覚いたしました。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。