〔会計不正調査報告書を読む〕
【第91回】
関西電力株式会社
「調査委員会報告書(平成30(2018)年9月11日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【調査委員会の概要】
〔調査委員会〕
【委員長】
小林 敬(弁護士、コンプライアンス委員会社外委員)
【委 員】
千森 秀郎(弁護士、コンプライアンス委員会社外委員)
種村 泰一(弁護士、コンプライアンス委員会社外委員)
井上 富夫(副社長執行役員)
月山 將(常務執行役員)
廣田 禎秀(常務執行役員)
〔調査期間〕
2018(平成30)年7月から同年9月まで
〔調査事項〕
① 当社幹部が森山氏から金品を渡され、または返却していた状況
② 森山氏への情報提供の状況
③ 吉田開発への工事発注プロセス・発注額
〔調査結果〕
- 2019(令和元)年10月2日
「新たな調査委員会の設置について」 - 同年10月9日
「役員人事等について」
「第三者委員会の設置について」
【関西電力株式会社の概要】
関西電力株式会社(以下「関西電力」と略称する)は、1951年5月設立。国内電力事業者では、東京電力に次ぐ2位のシェアを占める。グループ会社は77社。売上高3兆3,076億円、経常利益2,036億円、資本金4,893億円。従業員数32,597名(いずれも2019年3月期、連結ベース)。本店所在地は大阪府大阪市。東京証券取引所1部上場。会計監査人は有限責任監査法人トーマツ。
【調査報告書の概要】
関西電力は、2019年10月2日の記者会見に際して、役員等が社外の関係者から金品等を受領していた問題について、2018年7月に、社外の弁護士を含めた社内の調査委員会を立ち上げ、調査を行っていたことを認め、調査報告書を公表した。本事案は、直接的な意味での「会計不正」ではないが、本調査報告書公表後、関西電力が第三者委員会を設置し、年内にも調査結果が公表される予定であることを踏まえて、本連載でたびたび問題点として挙げている「調査委員会の構成はどうあるべきか」という論点や、金品を受領した取締役らの一部はなぜ、所得税の修正申告をしなければならなかったのか、その資金を提供したとされる吉田開発株式会社(以下「吉田開発」と略称する)はどうやって資金を捻出したのかなど、会計不正の周辺に関する論点も多いことから、本連載で取り上げることとする。
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