〔会計不正調査報告書を読む〕
【第93回】
株式会社RS Technologies
「特別調査委員会調査報告書(2019年2月1日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【特別調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2018年12月14日
「特別調査委員会設置に関するお知らせ」
〔特別調査委員会〕
【委員長】
井上 寅喜(公認会計士)
【委 員】
中原 健夫(弁護士)
岡本 大毅(弁護士・公認不正検査士)
他に、調査メンバーとして、弁護士法人ほくと総合法律事務所に所属する弁護士2名、株式会社アカウンティング・アドバイザリー所属の公認会計士3名を選定するとともに、デジタル・フォレンジック担当として、株式会社FRONTEOを選定した。
〔調査期間〕
2018年12月14日から2019年1月31日まで
〔委嘱事項の範囲〕
株式会社RS Technologiesは、多結晶ダイヤモンドパウダーを対象商材として、A社を売主、当社を買主及び転売主、転売先をB社とする取引に関する以下の事項を、特別調査委員会に委嘱した。
① 本件取引の事実関係の解明
② 類似取引の有無の確認
③ 本件取引の原因の究明
④ 再発防止策の提言
〔調査結果〕
- 2019年2月1日
「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」 - 同年3月5日
「過年度有価証券報告書等の訂正報告書の提出に関するお知らせ」 - 同年3月26日
「特別調査委員会の調査報告に基づく再発防止策について」
【株式会社RS Technologiesの概要】
株式会社RS Technologies(以下「RST」と略称する)は、2010(平成22)年12月設立。シリコンウェーハの再生、製造及び販売事業を主たる事業とする。連結子会社は5社(国内及び台湾に各1社、中国に3社)である。売上高25,478百万円、経常利益6,141百万円、資本5,373百万円。従業員数1,159名(いずれも2018年12月期、連結ベース)。本店所在地は東京都品川区。東京証券取引所1部上場。会計監査人は有限責任あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」という)。
【調査報告書の概要】
RSTは、2018年12月14日、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」というリリースにより、「一部取引において実在性に疑義があるという外部からの指摘」があったことから、特別調査委員会を設置して調査を行うことになったことを適時開示した。この時点で、取引規模は売上高約350百万円及び売上総利益約100百万円であるとしている。「外部からの指摘」の「外部」が何を意味しているかについては、調査報告書及びその後に公表された改善報告書等でも明らかにされていない。
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