〔会計不正調査報告書を読む〕
【第102回】
天馬株式会社
「第三者委員会調査報告書(2020年4月2日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2019年12月2日
「当社海外子会社における不正行為について」 - 2020年2月27日
「2020年3月期第3四半期決算発表延期について」
〔第三者委員会〕
【委員長】
早川 明伸(弁護士)
【委 員】
竹内 朗(弁護士・公認不正検査士)
金子 昌嗣(公認会計士)
第三者委員会は、次の者を調査補助者に選任している。
・弁護士法人トラスト早川経営法律事務所所属の弁護士國分吾郎、弁護士渡邊俊彦、弁護士田中佑佳
・プロアクト法律事務所所属の弁護士田中伸英、弁護士・公認不正検査士松葉優子
・EY新日本有限責任監査法人及び各国メンバーファーム所属の横田祐次、緒方幸司、中田泰記、東野拓人、田中水織他68名
〔調査期間〕
2019年12月2日から2020年3月13日まで
〔調査目的〕
① X国天馬の役職員が2019年にX国税務局職員に対して現金を交付した問題に係る事実関係の調査
② 本事案に類似する問題の存否及び事実関係の調査
③ 上記①及び②で確認された事実関係の原因分析及び再発防止策の提言
〔調査結果〕
- 2020年3月13日
「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」 - 同年3月16日
「過年度の有価証券報告書等の訂正報告書の提出及び過年度の決算短信等の訂正に関するお知らせ」
「内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせ」 - 同年4月2日
「第三者委員会の調査報告書の公表等に関するお知らせ」 - 同年5月1日
「再発防止策の策定等に関するお知らせ」
【天馬株式会社の概要】
天馬株式会社(以下「天馬」と略称する)は、1949(昭和24)年8月に設立。プラスチック製品の製造及び販売を主たる事業とする。売上高85,762百万円、経常利益3,600百万円、従業員数7,276人(いずれも2020年3月期連結実績)。資本金19,225百万円。国内連結子会社2社、海外連結子会社11社(中国に6社、東南アジアに5社)、海外持分法適用関連会社1社を有する。会計監査人は有限責任あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」と略称する)。
【調査報告書の概要】
天馬の経営陣は、X国に所在する子会社であるX国天馬の役職員が、X国の税務局がX国天馬に対して2019年8月に実施した税務調査の過程で、税務局職員に対し、同月31日に1,500万円相当の現金を交付した可能性があることを、同年9月上旬から10月上旬にかけて順次認知した。
この問題については、11月19日に開催された取締役会にて報告され、12月2日に開催された取締役会にて、この問題を調査するための第三者委員会の設置が決議され、同日、天馬は、「当社海外子会社における不正行為について」と題する適時開示を発出した。
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