公開日: 2021/08/19 (掲載号:No.432)
文字サイズ

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第116回】株式会社ショーエイコーポレーション「外部調査委員会調査報告書(要約版)(2021年6月18日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第116回】

株式会社ショーエイコーポレーション

「外部調査委員会調査報告書(要約版)(2021年6月18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ショーエイコーポレーション外部調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔外部調査委員会〕

【委員長】

宍戸 一樹(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

【委 員】

卜部 晃史(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

山田 重嗣(公認会計士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

【補助者】

(1) 外部専門家

● 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所所属の弁護士(2名:首藤聡、山本大介)及び公認会計士(2名:桑野博輔、田上熊野)

● U&Iアドバイザリーサービス株式会社所属のデジタルフォレンジック調査の専門家(2名:桑原啓、伊藤里香)

(2) 社内

● 有村芳文代表取締役専務兼CFO

● 稲谷和樹執行役員経理部長

● 大垣富雄経理部課長代理

● 太田知之情報管理部副部長

〔調査期間〕

2021年4月30日から同年6月15日まで

〔外部調査委員会への委嘱事項〕

(1) 本件循環取引に係る事実関係の調査

(2) 本件循環取引に類似する事象の有無の調査

(3) 本件循環取引が事実であることが判明した場合、その原因の究明及び再発防止策の提言

(4) 上記各号の委嘱事項を遂行した結果に基づく調査報告書の作成、及びショーエイへの提出

(5) その他、本委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社ショーエイコーポレーションの概要】

株式会社ショーエイコーポレーション(以下「ショーエイ」と略称する)は、1968(昭和43)年2月設立。設立時の社名は昭栄製袋株式会社。包装資材の企画、製造、販売及び自動包装などの営業促進支援事業と、日用雑貨品の企画・販売などの商品販売事業を主たる事業とする。連結売上高19,115百万円、連結経常利益632百万円、従業員数399人(いずれも2020年3月期実績)。東京証券取引所1部上場。本店所在地は大阪市中央区。会計監査人は、EY新日本有限責任監査法人大阪事務所(以下「新日本監査法人」と略称する)。

 

【調査報告書の概要】

1 外部調査委員会設置の経緯

本件は、ショーエイの大阪本社営業部長であるs1氏が、2021年3月29日、執行役員であるs2氏に対し、B社から3月末に入金予定であった売掛金が未回収となる報告を行ったことから発覚したものであり、s1氏の報告により、ショーエイは、A社代表取締役a氏が主導する架空循環取引に巻き込まれていたことが明らかになったものである。

ショーエイは、社内における事実確認の結果、ステークホルダーに対して、正確かつ迅速で透明性がある説明を行い、安心と信頼を得るためには、ショーエイと利害関係のない外部専門家の関与により調査の客観性及び信頼性を確保しつつ、本件循環取引の全容解明を期するとともに、類似取引の有無等を把握することが必要と判断して、2021年4月30日、外部調査委員会の設置を取締役会において決議し、調査を開始した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第116回】

株式会社ショーエイコーポレーション

「外部調査委員会調査報告書(要約版)(2021年6月18日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ショーエイコーポレーション外部調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔外部調査委員会〕

【委員長】

宍戸 一樹(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

【委 員】

卜部 晃史(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

山田 重嗣(公認会計士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)

【補助者】

(1) 外部専門家

● 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所所属の弁護士(2名:首藤聡、山本大介)及び公認会計士(2名:桑野博輔、田上熊野)

● U&Iアドバイザリーサービス株式会社所属のデジタルフォレンジック調査の専門家(2名:桑原啓、伊藤里香)

(2) 社内

● 有村芳文代表取締役専務兼CFO

● 稲谷和樹執行役員経理部長

● 大垣富雄経理部課長代理

● 太田知之情報管理部副部長

〔調査期間〕

2021年4月30日から同年6月15日まで

〔外部調査委員会への委嘱事項〕

(1) 本件循環取引に係る事実関係の調査

(2) 本件循環取引に類似する事象の有無の調査

(3) 本件循環取引が事実であることが判明した場合、その原因の究明及び再発防止策の提言

(4) 上記各号の委嘱事項を遂行した結果に基づく調査報告書の作成、及びショーエイへの提出

(5) その他、本委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社ショーエイコーポレーションの概要】

株式会社ショーエイコーポレーション(以下「ショーエイ」と略称する)は、1968(昭和43)年2月設立。設立時の社名は昭栄製袋株式会社。包装資材の企画、製造、販売及び自動包装などの営業促進支援事業と、日用雑貨品の企画・販売などの商品販売事業を主たる事業とする。連結売上高19,115百万円、連結経常利益632百万円、従業員数399人(いずれも2020年3月期実績)。東京証券取引所1部上場。本店所在地は大阪市中央区。会計監査人は、EY新日本有限責任監査法人大阪事務所(以下「新日本監査法人」と略称する)。

 

【調査報告書の概要】

1 外部調査委員会設置の経緯

本件は、ショーエイの大阪本社営業部長であるs1氏が、2021年3月29日、執行役員であるs2氏に対し、B社から3月末に入金予定であった売掛金が未回収となる報告を行ったことから発覚したものであり、s1氏の報告により、ショーエイは、A社代表取締役a氏が主導する架空循環取引に巻き込まれていたことが明らかになったものである。

ショーエイは、社内における事実確認の結果、ステークホルダーに対して、正確かつ迅速で透明性がある説明を行い、安心と信頼を得るためには、ショーエイと利害関係のない外部専門家の関与により調査の客観性及び信頼性を確保しつつ、本件循環取引の全容解明を期するとともに、類似取引の有無等を把握することが必要と判断して、2021年4月30日、外部調査委員会の設置を取締役会において決議し、調査を開始した。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

「おかしな数字」をパッと見抜く会計術

公認会計士 山岡信一郎 著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

徹底解説 課税上のグレーゾーン

辻・本郷税理士法人 監修 辻・本郷税理士法人 関西審理室 編 税理士 山本秀樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

企業法務で知っておくべき税務上の問題点100

弁護士・税理士 米倉裕樹 著 弁護士・税理士 中村和洋 著 弁護士・税理士 平松亜矢子 著 弁護士 元氏成保 著 弁護士・税理士 下尾裕 著 弁護士・税理士 永井秀人 著

仮装経理の実務対応

税理士 鈴木清孝 著

不正会計リスクにどう立ち向かうか!

公認会計士・公認不正検査士 宇澤亜弓 著

社会福祉法人の不正防止・内部統制・監査

全国社会福祉法人会計研究会 編著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#