〔会計不正調査報告書を読む〕
【第116回】
株式会社ショーエイコーポレーション
「外部調査委員会調査報告書(要約版)(2021年6月18日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社ショーエイコーポレーション外部調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2021年4月30日
「外部調査委員会設置及び決算発表予定日の延期についてのお知らせ」
〔外部調査委員会〕
【委員長】
宍戸 一樹(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)
【委 員】
卜部 晃史(弁護士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)
山田 重嗣(公認会計士/弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)
【補助者】
(1) 外部専門家
● 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所所属の弁護士(2名:首藤聡、山本大介)及び公認会計士(2名:桑野博輔、田上熊野)
● U&Iアドバイザリーサービス株式会社所属のデジタルフォレンジック調査の専門家(2名:桑原啓、伊藤里香)
(2) 社内
● 有村芳文代表取締役専務兼CFO
● 稲谷和樹執行役員経理部長
● 大垣富雄経理部課長代理
● 太田知之情報管理部副部長
〔調査期間〕
2021年4月30日から同年6月15日まで
〔外部調査委員会への委嘱事項〕
(1) 本件循環取引に係る事実関係の調査
(2) 本件循環取引に類似する事象の有無の調査
(3) 本件循環取引が事実であることが判明した場合、その原因の究明及び再発防止策の提言
(4) 上記各号の委嘱事項を遂行した結果に基づく調査報告書の作成、及びショーエイへの提出
(5) その他、本委員会が必要と認めた事項
〔調査結果〕
- 2021年6月18日
「当社営業部門の従業員の関与の疑われる不適切な取引の外部調査委員会からの調査報告書受領のお知らせ」 - 同年7月30日
「不適切取引に関する再発防止策のお知らせ」
【株式会社ショーエイコーポレーションの概要】
株式会社ショーエイコーポレーション(以下「ショーエイ」と略称する)は、1968(昭和43)年2月設立。設立時の社名は昭栄製袋株式会社。包装資材の企画、製造、販売及び自動包装などの営業促進支援事業と、日用雑貨品の企画・販売などの商品販売事業を主たる事業とする。連結売上高19,115百万円、連結経常利益632百万円、従業員数399人(いずれも2020年3月期実績)。東京証券取引所1部上場。本店所在地は大阪市中央区。会計監査人は、EY新日本有限責任監査法人大阪事務所(以下「新日本監査法人」と略称する)。
【調査報告書の概要】
1 外部調査委員会設置の経緯
本件は、ショーエイの大阪本社営業部長であるs1氏が、2021年3月29日、執行役員であるs2氏に対し、B社から3月末に入金予定であった売掛金が未回収となる報告を行ったことから発覚したものであり、s1氏の報告により、ショーエイは、A社代表取締役a氏が主導する架空循環取引に巻き込まれていたことが明らかになったものである。
ショーエイは、社内における事実確認の結果、ステークホルダーに対して、正確かつ迅速で透明性がある説明を行い、安心と信頼を得るためには、ショーエイと利害関係のない外部専門家の関与により調査の客観性及び信頼性を確保しつつ、本件循環取引の全容解明を期するとともに、類似取引の有無等を把握することが必要と判断して、2021年4月30日、外部調査委員会の設置を取締役会において決議し、調査を開始した。
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