〔会計不正調査報告書を読む〕
【第120回】
株式会社カンセキ
「第三者委員会調査報告書(2021年11月9日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社カンセキ第三者委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2021年10月8日
「当社役員による資産の流用発覚に伴う2022年2月期第2四半期決算発表の延期および第三者委員会設置に関するお知らせ」 - 同年10月11日
「第三者委員会の委員選任に関するお知らせ」
〔第三者委員会〕
【委員長】
有田 知德(弁護士・銀座中央法律事務所)
【委 員】
政木 道夫(弁護士・シティユーワ法律事務所)
小川 真人(公認会計士・ACEコンサルティング株式会社)
【調査補助者】
弁護士5名及び公認会計士2名を調査補助者として選任
〔調査期間〕
2021年10月8日から同年11月8日まで
〔第三者委員会への委嘱事項〕
(1) 本件不正行為に係る事実関係の調査
(2) 類似事案の有無及び事実関係の調査
(3) 本件不正行為及び類似事案の会計上の影響の検討
(4) 本件不正行為の発生原因の分析及び再発防止策の提言
〔調査結果〕
- 2021年11月9日
「第三者委員会の調査報告書受領等に関するお知らせ」
【株式会社カンセキの概要】
株式会社カンセキ(以下「カンセキ」と略称する)は、1975(昭和50)年2月、創業者である故服部吉雄が設立(設立時の社名は株式会社服部)。同年4月、ホームセンター1号店開業。ホームセンター、専門店などの運営を主たる事業とする。売上高41,592百万円、経常利益2,911百万円、資本金1,926百万円、従業員数345名(いずれも2021年2月期連結実績)。本社所在地は栃木県宇都宮市。東京証券取引所JASDAQ市場上場。会計監査人はEY新日本有限責任監査法人東京事務所(以下「新日本監査法人」と略称する)。資金流用に利用された連結子会社の株式会社バーン(以下「バーン」と略称する)は、2007年9月設立で、保険代理店業を営む。代表取締役は、カンセキの代表取締役会長の長谷川静夫氏(報告書上の表記は「丙」、以下「長谷川会長」と略称する)が兼務し、他に取締役1名(報告書上の表記は「庚」)とパート従業員が1名在籍している。
【調査報告書の概要】
1 第三者委員会設置の経緯
カンセキの取締役常勤監査等委員である髙﨑勝彦氏(報告書上の表記は「甲」。以下「髙﨑常勤監査等委員」と略称する)は、2021年8月末頃、カンセキの連結子会社であるバーンに対する内部監査を行い、同社の現金につき、実際の残高が帳簿上の残高より720万円少ないことを把握した。
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