公開日: 2022/09/01 (掲載号:No.484)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第129回】株式会社ダイイチ「第三者委員会調査報告書(公表版)(2022年6月24日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第129回】

株式会社ダイイチ

「第三者委員会調査報告書(公表版)(2022年6月24日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ダイイチ第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

宇澤 亜弓(公認会計士・公認不正検査士、公認会計士宇澤事務所)

【委 員】

熊谷 真喜(弁護士、祝田法律事務所)

末長 宏章(弁護士、末長法律事務所)

【調査補助者】

・株式会社KPMG FAS

高岡俊文(公認会計士)、須賀永治(公認会計士)他15名

・祝田法律事務所

吉田新(弁護士)

〔調査期間〕

2022年4月25日から同年6月23日まで

〔第三者委員会の目的〕

① 国税から指摘された不適切な会計処理に係る事実関係の調査

② 類似事象の有無の確認

③ 財務諸表等への影響額の算定

④ 原因解明と再発防止策の提言

⑤ その他第三者委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社ダイイチの概要】

株式会社ダイイチ(以下「ダイイチ」と略称する)は、1958年7月創業。北海道帯広・旭川・札幌の各地区におけるスーパーマーケット経営を主たる事業とする。売上高44,015百万円、経常利益1,929百万円、資本金1,639百万円。従業員数338名(いずれも訂正前の2021年9月期実績)。本店所在地は北海道帯広市。株式会社イトーヨーカ堂が発行済株式の30.03%を有する筆頭株主である。東京証券取引所スタンダード市場、札幌証券取引所上場。会計監査人は監査法人シドー札幌事務所(以下「監査法人シドー」と略称する)。

【役員の状況(役員の肩書は2021年9月期有価証券報告書記載もの)】

 

【第三者委員会調査報告書の概要】

1 第三者委員会設置の経緯

ダイイチは、2022年3月より開始された札幌国税局の税務調査において、2017年9月期以降、継続して、納品されていない商品の仕入計上及び棚卸の除外による利益の調整(以下「売上原価の先行計上」という)を含む不適切な会計処理が行われており、2021年9月期における売上原価の先行計上の金額は少なくとも約82百万円であるとの指摘を受けた。

これを受けて、ダイイチは、会計監査人である監査法人シドーから、税務調査の指摘に係る事実関係の確認を求められたため、2022年4月25日開催の臨時取締役会において、ダイイチと利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される委員会を設置することを決議し、同日、第三者委員会を設置した。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第129回】

株式会社ダイイチ

「第三者委員会調査報告書(公表版)(2022年6月24日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社ダイイチ第三者委員会の概要】

〔適時開示〕

〔第三者委員会〕

【委員長】

宇澤 亜弓(公認会計士・公認不正検査士、公認会計士宇澤事務所)

【委 員】

熊谷 真喜(弁護士、祝田法律事務所)

末長 宏章(弁護士、末長法律事務所)

【調査補助者】

・株式会社KPMG FAS

高岡俊文(公認会計士)、須賀永治(公認会計士)他15名

・祝田法律事務所

吉田新(弁護士)

〔調査期間〕

2022年4月25日から同年6月23日まで

〔第三者委員会の目的〕

① 国税から指摘された不適切な会計処理に係る事実関係の調査

② 類似事象の有無の確認

③ 財務諸表等への影響額の算定

④ 原因解明と再発防止策の提言

⑤ その他第三者委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社ダイイチの概要】

株式会社ダイイチ(以下「ダイイチ」と略称する)は、1958年7月創業。北海道帯広・旭川・札幌の各地区におけるスーパーマーケット経営を主たる事業とする。売上高44,015百万円、経常利益1,929百万円、資本金1,639百万円。従業員数338名(いずれも訂正前の2021年9月期実績)。本店所在地は北海道帯広市。株式会社イトーヨーカ堂が発行済株式の30.03%を有する筆頭株主である。東京証券取引所スタンダード市場、札幌証券取引所上場。会計監査人は監査法人シドー札幌事務所(以下「監査法人シドー」と略称する)。

【役員の状況(役員の肩書は2021年9月期有価証券報告書記載もの)】

 

【第三者委員会調査報告書の概要】

1 第三者委員会設置の経緯

ダイイチは、2022年3月より開始された札幌国税局の税務調査において、2017年9月期以降、継続して、納品されていない商品の仕入計上及び棚卸の除外による利益の調整(以下「売上原価の先行計上」という)を含む不適切な会計処理が行われており、2021年9月期における売上原価の先行計上の金額は少なくとも約82百万円であるとの指摘を受けた。

これを受けて、ダイイチは、会計監査人である監査法人シドーから、税務調査の指摘に係る事実関係の確認を求められたため、2022年4月25日開催の臨時取締役会において、ダイイチと利害関係を有しない中立・公正な外部の専門家から構成される委員会を設置することを決議し、同日、第三者委員会を設置した。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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