公開日: 2023/03/16 (掲載号:No.511)
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〔会計不正調査報告書を読む〕 【第139回】株式会社オークファン「特別調査委員会調査報告書(2023年1月13日付)」

筆者: 米澤 勝

〔会計不正調査報告書を読む〕

【第139回】

株式会社オークファン

「特別調査委員会調査報告書(2023年1月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社オークファン特別調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会〕

【委 員】

山口 幹生(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)

高岡 俊文(公認会計士、株式会社KPMG FAS)

小田 勇一(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)

弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所に所属する弁護士大多和樹、福冨友美、土屋佑貴、立村達哉、植田美咲並びに株式会社KPMG FASに所属する公認会計士須賀永治、山口孝之、床井宏行及びデジタル・フォレンジック担当山田昴輝外12名を補助者としている。

〔調査期間〕

2022年10月21日から2023年1月13日まで

〔特別調査委員会設置の目的〕

(1) 本件架空取引に関する事実関係の調査

(2) 本件架空取引に類似する事象の有無及びその内容の調査

(3) 不適切な会計処理が判明した場合における、過年度決算の会計処理に及ぼす影響の調査

(4) 不適切な会計処理が判明した場合における、原因の究明と再発防止策の提言

(5) その他当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社オークファンの概要】

株式会社オークファン(以下「オークファン」と略称する)は、2007(平成19)年6月、株式会社デファクトスタンダードのメディア事業を新設分割して設立。在庫価値ソリューション事業、商品流通プラットフォーム事業などを主たる事業とし、国内連結子会社6社を有している。売上6,256百万円、経常利益312百万円、資本金973百万円、従業員数165名(2022年9月期連結実績)。本店所在地は東京都品川区。東京証券取引所グロース市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。

架空取引が発見された株式会社SynaBiz(以下「SynaBiz」と略称する)は、2015(平成27)年7月設立。オークファンが100%出資する連結子会社で、商品流通プラットフォーム事業として「NETSEA」と称するマーケットプレイスを運用している。売上高2,785百万円、経常損失372百万円、資本金25百万円(2022年9月期実績)。代表者は、オークファン代表取締役社長の武永修一氏(以下「武永社長」と略称する)が兼務し、本店所在地はオークファンと同一の住所地である。

 

【特別調査委員会による調査報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

オークファンは、外部からの指摘を契機として、SynaBizを当事者とする過年度の商品販売取引において不正又は不適切なものがなかったかどうかにつき、社内調査を進めていたところ、経済的実態を欠く架空の商品取引の存在(以下「本件架空取引」という)を複数確認したことから、2022年10月21日、それらの取引に係る事実関係の調査、類似事象の有無の確認及びその会計処理の適否の検証等を行う必要があると判断し、特別調査委員会を設置することを決定し、その旨を公表した。

調査報告書によれば、本件架空取引を概括すると、インターネットオークション運営会社が運営するオークションにて落札した商品を当該運営会社に買い戻させる取引(売上のかさ増しを目的とした経済実態のない架空取引)である。

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〔会計不正調査報告書を読む〕

【第139回】

株式会社オークファン

「特別調査委員会調査報告書(2023年1月13日付)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【株式会社オークファン特別調査委員会の概要】

〔適時開示〕

〔特別調査委員会〕

【委 員】

山口 幹生(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)

高岡 俊文(公認会計士、株式会社KPMG FAS)

小田 勇一(弁護士、弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所)

弁護士法人大江橋法律事務所・東京事務所に所属する弁護士大多和樹、福冨友美、土屋佑貴、立村達哉、植田美咲並びに株式会社KPMG FASに所属する公認会計士須賀永治、山口孝之、床井宏行及びデジタル・フォレンジック担当山田昴輝外12名を補助者としている。

〔調査期間〕

2022年10月21日から2023年1月13日まで

〔特別調査委員会設置の目的〕

(1) 本件架空取引に関する事実関係の調査

(2) 本件架空取引に類似する事象の有無及びその内容の調査

(3) 不適切な会計処理が判明した場合における、過年度決算の会計処理に及ぼす影響の調査

(4) 不適切な会計処理が判明した場合における、原因の究明と再発防止策の提言

(5) その他当委員会が必要と認めた事項

〔調査結果〕

 

【株式会社オークファンの概要】

株式会社オークファン(以下「オークファン」と略称する)は、2007(平成19)年6月、株式会社デファクトスタンダードのメディア事業を新設分割して設立。在庫価値ソリューション事業、商品流通プラットフォーム事業などを主たる事業とし、国内連結子会社6社を有している。売上6,256百万円、経常利益312百万円、資本金973百万円、従業員数165名(2022年9月期連結実績)。本店所在地は東京都品川区。東京証券取引所グロース市場上場。会計監査人は監査法人アヴァンティア。

架空取引が発見された株式会社SynaBiz(以下「SynaBiz」と略称する)は、2015(平成27)年7月設立。オークファンが100%出資する連結子会社で、商品流通プラットフォーム事業として「NETSEA」と称するマーケットプレイスを運用している。売上高2,785百万円、経常損失372百万円、資本金25百万円(2022年9月期実績)。代表者は、オークファン代表取締役社長の武永修一氏(以下「武永社長」と略称する)が兼務し、本店所在地はオークファンと同一の住所地である。

 

【特別調査委員会による調査報告書の概要】

1 特別調査委員会設置の経緯

オークファンは、外部からの指摘を契機として、SynaBizを当事者とする過年度の商品販売取引において不正又は不適切なものがなかったかどうかにつき、社内調査を進めていたところ、経済的実態を欠く架空の商品取引の存在(以下「本件架空取引」という)を複数確認したことから、2022年10月21日、それらの取引に係る事実関係の調査、類似事象の有無の確認及びその会計処理の適否の検証等を行う必要があると判断し、特別調査委員会を設置することを決定し、その旨を公表した。

調査報告書によれば、本件架空取引を概括すると、インターネットオークション運営会社が運営するオークションにて落札した商品を当該運営会社に買い戻させる取引(売上のかさ増しを目的とした経済実態のない架空取引)である。

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連載目次

会計不正調査報告書を読む

第1回~第150回 ※クリックするとご覧いただけます。

第151回~

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

関連書籍

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