〔会計不正調査報告書を読む〕
【第152回】
株式会社ベクター
「特別調査委員会調査報告書(最終報告)(2023年5月16日付)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【株式会社ベクター特別調査委員会の概要】
〔適時開示〕
- 2023年2月15日
「(経過開示)2023年3月期第3四半期報告書の提出遅延及び2023年3月期第3四半期決算短信発表の延期並びに監理銘柄(確認中)への指定見込みに関するお知らせ」 - 同年2月16日
「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」
〔特別調査委員会の構成〕
【委員長】
吉田 秀康(弁護士、阿部・吉田・三瓶法律会計事務所)
【委 員】
鈴木 亨(弁護士、法律事務所ASCOPE)
山田 幸平(公認会計士、合同会社LRプラス代表社員)
〔調査期間〕
2023年2月17日から5月16日まで
〔特別調査委員会調査の目的〕
前任の会計監査人トーマツによって、財務計算に関する書類の適正性の確保に影響を及ぼすおそれのある法令違反等事実として指摘された以下の取引に係る客観的な事実関係の調査及び問題が認められた場合の原因の究明及び改善策の提言
(1) 蓄電池取引に関する株式会社常への預け金150百万円の支出の経済合理性
(2) 太陽光発電所売買に関する常社への保証金80百万円の支払の合理性
(3) 常社を引受先とする第三者割当増資及び新株予約権発行が資金の環流である
(4) 車両の購入取引について代金支払を名義書換えに先行させたことの不自然性
〔調査結果〕
- 2023年3月10日
「特別調査委員会の調査報告書(中間)公表に関するお知らせ」 - 同年5月16日
「特別調査委員会の調査報告書(最終)公表に関するお知らせ」 - 同年9月29日
「再発防止策に関するお知らせ」
【株式会社ベクターの概要】
株式会社ベクター(2023年6月に商号を株式会社ベクターホールディングスに変更。以下、商号変更の前後を問わず、「ベクター」と略称する)は、1989年2月設立。設立時の社名は有限会社ベクターデザイン。インターネット及びインターネットに関する技術を使用したサービスを基軸とする単一セグメントを事業とする。売上246百万円、経常損失362百万円、資本金1,795百万円。従業員数30名(2023年3月期実績)。代表取締役社長は渡邊正輝氏(以下、「渡邊社長」と略称する)。本店所在地は東京都新宿区。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は、2023年2月16日まで、有限責任監査法人トーマツ東京事務所(以下、「トーマツ」と略称する)、同日以後は、柴田公認会計士事務所及び大瀧公認会計士事務所。この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
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